瑞稀くんと帰り道 ページ1
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side 瑞稀
稽古場から駅への道。前に女の子の集団。
道に広がって邪魔だなあ、なんて思っていたら真ん中の後ろ姿に見覚えがあってイヤホンを外した。
｢聞いてんのかよ！」
｢まじ消えろよ！颯太が迷惑してるのわかんないの！？」
｢ほんといつになったらやめるわけ？おい！無視してんなよ！」
真ん中の女の子に浴びせられる罵声。
｢なにしてんの？」
思わず声を掛ければ振り返る集団。でも真ん中のその子は振り向かない。
｢やばっ、瑞稀くんっ」
｢いこっ」
慌てた様子で走り去る。本当にくだらない。
｢もも、」
声をかけて残された俺より小さいその子の隣に並ぶ。昔みたいに泣いているのかと思って顔を覗き込めば、その目は『無』だった。
｢もも」
もう一度名前を呼べばやっとその瞳が俺に向く。
｢あ、瑞稀くん」
へら、と笑う。
｢さっきの、大丈夫？」
｢あ、見てたの？」
恥ずかしいなあ、なんて乾いた笑顔を浮かべる。
俺が声をかけたことに気が付かないほどシャッターを締め切っていた。
｢もう慣れちゃった」
諦めたように笑うももに胸が痛んだ。
まだももが中学生のとき、同じ状況に遭遇した。それは一回じゃない。
同じように誰かのファンの女子に囲まれて、やめろ消えろと悪口を言われ、手を出されそうになるのを見たこともある。
ももはいつも泣いていた。罵倒に囲まれながらごめんなさいごめんなさいと謝って、ぼろぼろと涙を溢して、傷ついていた。
自分を守るために、これ以上傷つかないために心を閉じたのかもしれない。
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あんな(プロフ) - 楽しみに読んでいます。 (2023年1月25日 22時) (
レス) id: 2a8575220a (このIDを非表示/違反報告)
あん - いつも楽しみにしてます。これからも頑張ってください!!応援してます!! (2022年6月5日 20時) (レス) @page35 id: 4011f316a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みみこ
| 作成日時：2022年1月27日 19時
