うちの新人がパパ活してる件 (ページ17)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:67,712 hit

17 ページ17

side 安元

安元「状況整理だ。まずその最後のパパさんの名前は？」

A「ジロウさんと聞いています。」

江口「なるほど。」

話を聞くと、
職業は社長で、家族は無し。
普段は駅前で待ち合わせをしてからレストランに行って、たまに洋服なんかも買って貰ってたらしい。
性格は怒ると怖いが、Aには基本優しい。
ジロウさんのパパ活歴は長く、Aで5人目の女の子らしい。
なお、その際の関係の解消の仕方は不明。

江口「相手はプロですね。」

安元「なかなか手強そうだな。」

俺たちはさながら碇ゲンドウのように、机に膝をつきながら指を組んでいる。

安元「やっぱりこの前冗談で言ったあの作戦が一番有効な気がする。」

江口もAも賛成のようだ。

すかさず江口が俺たちの配役、設定、性格や架空の事務所のことまで細かく決めようと言い出した。

安元「ならオレが事務所の社長役。江口がAのマネージャー役ね。」

ここでもやはり江口はどこか楽しんでいるように見える。
当日の服は俺が用意します。と言われたのでそこは江口に任せることにした。

A「お二人の名刺とかあった方が説得力が増しますよね。私の友人のパソコン借りて作って来ますね。お二人の名前は希望はありますか？」

正直俺は『安元洋貴』以外ならなんでもいいが、江口はそうではないらしく。

江口「俺は『剛田猛(ごうだたける)』で安元さんは『鬼塚灯(おにづかともる)』でよろしく。」

それバレないか？

しかし俺も役者の端くれとしては完璧に演じ切って、Aに怖い思いをさせず解決したい。

実は俺もまた心のどこかで楽しんでいる。