一年の覚悟 ページ31
なんとか学年末試験を終えた
正直学年一の秀才と一緒に勉強したからか以外にも手ごたえはめっちゃある
何なら楽勝だった
A「思ったより簡単だった…」
「それあんたとあんたの友達のあいつだけよ」
げっそりした顔のマートルが私を睨みながらそういった
「まぁあんたから教えてもらったところはビックリするくらいわかったけど」
A「本当？よかった〜。でもこの前トム作のプチテスト受けたときは点数よかったじゃない」
「あれね、まぁやっててよかったわ」
このテスト期間、あまりにも不安だったマートルが私に勉強を教えてほしいといってきた
勿論私は二つ返事でOKしたが横にいたトムは自分と勉強するのだと思っていたらしく
不機嫌そうだった
だがこの際だから二人を引き合わせてしまおうと思った私は
三人で勉強することを提案した
そりが合わなかった二人も勉強を始めてさえしまえばなんだかんだちゃんと教えあいをしていた
それでもやっぱりそりが合わないのか口喧嘩をしているが、まぁ喧嘩するほど仲がいいというし
「あんた今最悪なこと考えてなかった？悪寒がしたんだけど」
A「気のせいよ。…それにしても、もう一年たってしまったのね」
この一年、本当にいろんなことがあったな
本来ここにいるはずがない私が、あの嘆きのマートルとトム・リドルと親友になって
まさかの私もロウェナ・レイブンクローの子孫だったのには驚いた
私の魔法生物大好き欲が大いに働いて蛇とお話を少しでもできるようになったのも
私のことながら意味が分からん
最初は怖かった
５０年前のこの世界は闇の魔法使いが勢力を倍増させている時期だし
何より今の世はマグル界でも戦争の真っただ中だし
魔法界で住んだほうがこの先はいいだろうし
でも今まで何も魔法界のことを知らずに育ってきた私がホグワーツで好成績を残せるのかどうかも全部不安だったし、もしダメだったらどうしようとも思った
でも今じゃ大切なこの二人と、もう二匹の友達もできた
まぁそれ以外の友達はあんまりいないんだけれど
それでも楽しい一年だった
私は、この平穏を崩したくない
そう、思ってしまった。願ってしまった。
もし誰も不幸にならなくても済むなら
私は…
「A？」
少し不安げに私の顔を見るマートル
A「大丈夫よ。心配しないで」
私が、二人を、みんなを守ってみせる
たとえ、何を犠牲にしても
命に代えても
何とかして見せる、覚悟を決めた一年目
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作者名：林檎 | 作成日時：2022年7月20日 15時
