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｢マスターって、野球すきだったんだね｣
知らなかった一面を、つい疑問として投げかけてしまう。彼女はおかしそうに笑って、たまあに野球のはなししてるわよ、と。この街に生まれた人間として、ホークスはやっぱり応援してしまうらしい。
もし私がこの街に生まれたとしても、きっと野球は知らないだろうなあ、なんて、もちろん言えなかった。そんなことを思いながら、カフェオレを飲み干す。
｢葵ちゃん、新しい絵をお店に飾りたいの。お願いしてもいいかしら｣
｢え！もちろん…！また、私の絵で良いの？｣
｢葵ちゃんの絵じゃないと、しっくり来なくて。どんなものかはお任せするわ｣
｢うん、分かった。少しお待たせしちゃうかもしれないけど、描かせていただきます｣
｢うん、楽しみにしてます｣
お礼を言われて、照れてしまう。そんな私を、声の低い彼がじっと見つめていた。なんだろう、と思って思わず見つめ返すと、彼はふっと視線を外す。そんな彼を楽しそうに見つめるマスター。
｢上林くん、意外とわかりやすいのね｣
｢……うるさいですよ｣
｢ふふ。あ、ねえ、葵ちゃん！｣
｢なあに？｣
｢今度、上林くんがいるチーム、ヤフオクドームでオープン戦やるの。私と見に行かない？｣
｢え？｣
私が声を上げると同時に、驚いたように彼はマスターを見た。少し悪戯な表情で笑うマスターは、ひとりじゃ寂しいもの、と付け加えて。
｢きっと良い刺激になるわ｣
そう言われてしまえば、少し興味が湧いてしまう。きっとそこは眩しくて、努力と才能で溢れていて、それを囲む笑顔が光っている。そんな場所なんだということは、容易に想像ができた。
｢ね、上林くん。いいでしょ？｣
｢俺は別に構いませんけど｣
｢なら、決定。そうそう、何かあったときのために、連絡先も交換したら？｣
｢え？｣
｢いいじゃない、ね？これも何かのご縁だもの｣
私からお互いの連絡先送っておくわ、と微笑む彼女は、なんだかとても楽しそう。すぐに送られてきた、上林誠知、と書いた連絡先。せいじ、っていう名前なんだ。
｢上林、誠知…さん｣
｢…葵さんて呼んでもいいですか？｣
｢え、あ、はい！…私は｣
｢好きに呼んでください｣
｢え、あ、じゃあ、誠知くんで｣
｢敬語もやめてくださいね｣
俺の方が三つ下らしいので、と言う誠知くん。こっそり歳を教えたマスターを見る。相変わらず悪戯そうに笑っていた。
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aoi(プロフ) - みゆうさん» こちらこそです＊楽しみにしています。 (2019年3月5日 1時) (
レス) id: 1e8b3648c1 (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさん» 見てきただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年3月4日 22時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
aoi(プロフ) - みゆうさん» とてもありがたいお言葉ありがとうございます…！意識している部分でもあったので、嬉しいです＊そして実は私、みゆうさんのおはなし拝見させてもらってます。私こそ更新楽しみにしています＊ (2019年3月1日 0時) (レス) id: ddb827d49e (このIDを非表示/違反報告)
みゆう(プロフ) - aoiさんの書く小説、主人公の見ている景色や生活の雰囲気だったり、想像力が膨らんで、心がほっこりする言葉の使い方が凄く好きです。更新楽しみにしています！ (2019年3月1日 0時) (レス) id: faf8ae436c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：aoi | 作成日時：2019年2月28日 23時
