1年限りの恋【SC】

愛してる ページ45

S.COUPS side












『 桜見たかったな 』

SC「 見れるよ 」

『 どうかなあ 』












いつもは看護師さんが連れてってくれてる散歩をAが俺にして欲しいと頼んできて

今の時間帯なら人は少ないだろうからと、許可してくれた












SC「 治して、一緒に見よう 」

『 その頃にはもう恋人じゃないよ、私たち 』

SC「 そしたら俺がまた告白すればいいんだよ 」












再会した頃よりも痩せたAだけど、笑顔は何も変わってない

性格も

前までは、あと1年しか生きられないなんて嘘なんじゃないかって思ってたけど、この細い体が証明してる

でも、信じたくなくて口に出すことはこの先も一緒にいられるように願ってる俺の気持ちだけ












『 スンチョル 』

SC「 ん? 」

『 私ね、最初は病気のこと話すつもり無かったの 』

SC「 … 」

『 もうこの世に未練なかったし、死ぬのなんて全然怖くなかった 』












ただ真っ直ぐ前を向いて話すA

隣に座る、俺の視線に気づかないまま












『 でも、みんなに会って、スンチョルに会って、生きたいって思ったの 』

SC「 …うん、 」

『 まだみんなの笑顔を見てたいって 』

SC「 A、 」

『 でもそんなの私のわがまま。体は私の気持ちとは逆に悪化してくし 』












そのままAは何も言わなかった

風が冷たくなってきて、もう戻ろうと車椅子をひいた

面会時間のギリギリまでAと話して、帰る準備をしてる時












『 スンチョル 』

SC「 ん? 」

『 愛してる 』












と、俺の好きなAの笑顔で言った

そんなの、俺だって












SC「 俺も愛してるよ 」

『 ふふ(笑) 』

SC「 ちゃんと暖かくして寝ろよ〜 」

『 はいはい 』

SC「 またな 」

『 うん、ばいばい 』












いつもなら"またね"と返してくれるAは

この日、眠りについたようにこの世を去った

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