1年限りの恋【SC】

9年ぶりの電話 ページ12

S.COUPS side












部屋に真っ先に入って、携帯とにらめっこ

車の中ではするしかないよなとか意気込んでたくせに1人になった瞬間勇気が出なくなった

でもこれで繋がらなかったら他の方法を考えなきゃいけないし、とりあえずかけてみるしかない

よし、と言ってから発信のボタンを押した












『 …もしもし? 』












繋がると思わなかったから、携帯を落としそうだった

…まさか、繋がるなんて

絶対変えたんだろうなと思ってたのに

別れた日何回も電話してたけど、繋がらなかったのはなんなんだろう

電源切られてた?

色んな考えが頭に巡ってる中、電話の向こうのAは、












『 …スンチョル、だよね? 』












そう声をかけてきた

Aが番号を消してなかっただけで嬉しいし、すぐ俺だとピンと来てくれるのも嬉しい

それは単純に今日目が合ったからなのかもしれないけど

それだけで嬉しく感じるってことはまだ相当好きなんだな俺












SC「 そうだよ、久しぶり 」

『 久しぶり 』












って言っても、さっき会ったんだけどな

自分の中でツッコミを入れて、Aの次の言葉を待った












『 どうしたの?急に電話してきて 』

SC「 あ〜…その、話したいことあって 」

『 話したいこと… 』

SC「 今日LIVE来てた? 」












あれは絶対にAだろうけど、自信がなくなってきたから確認で聞いてみた

これで違うって言われたらめちゃくちゃ恥ずかしいな












『 行ったよ 』

SC「 やっぱり… 」

『 ファイティンって言ったの気づいた? 』

SC「 気づいたよ 」

『 よかった、気づいてくれてないと思った 』












ふふっと笑う声がしてあの穏やかな笑顔を思い出した

またああやって笑ってるのかな

その笑顔はもう誰かのになってるのかな

どうしていきなり別れを告げていなくなったのか教えて欲しい

…聞きたいことが多すぎるな

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