恋の炎色反応〈QK〉

もちを焼かせる __wtnb ページ7

私の彼氏は全く嫉妬をしない人だった。

そう。

良くも悪くも。


「山本くん！」


そう私があなた以外の人に駆け寄っても、


「今日飲み行かね？」


なんてあなた以外の人に誘われても、

そう、全く。


私は彼が嫉妬をしないことでとても楽なのと同時にとても寂しくて。


「ほんとに私のこと好き？」


なんて呟いてみては不安になった。


そんなある日、このことを私の大先輩、ナイスガイ様に相談すると何故か困ったような顔。


「ほんとに言ってる？それ。」


なんて、どうして？

私はいつでも本気なのに。

少しくらい嫉妬して欲しいのよ。


「本気です。」


そう私が真剣に返事をすると大きなため息。

わかってないな〜。

そんな哀れみの目を向けられた。

目は口ほどに物を言うなんてこのことね。

そう妙にズレたような心。


「仕方ない。俺の責任だ。」


なんてナイスガイは意味のわからぬ言葉を吐いた。


「嫉妬させればいいんでしょ？」

「はい。」


最後まで呆れたような、困ったような。

そしてなんだか渋々というそんなナイスガイの真意は私にはわからなかったが、どうやら私のお悩み解決のために協力してくれるようだった。


「じゃあ、明日作戦決行な」

「はい！」


ナイスガイは私の意見なんか聞くこともなくてテキパキと作戦を立て、最後にはダメだこりゃ。なんてこれまた真意の読みとれない、意味の不明な呟きを残して去っていった。




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