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大好きな __ mzkm ページ39

私は小さい時から家から出さずに育てられた。

遊ぶと言っても家の敷地内だけ。

広さでは十分だった。

だってうちはこの国のお城だったから。

だけど私はずっとずっと1人だった。


パパは王様、ママはお姫様。

2人とも私が物心ついた時から忙しくて、遊んでもらった記憶なんて本当に片手で数えられるくらい。

使用人は周りにたくさんいた。

私のことを可愛がってくれたし、みんなのことはとても大好き。

だけど私はずっとずっと1人だった。


窓から街を眺めては、おもちゃなんて何もなくてもただ友達と駆け回る、そんな街の子供たちが羨ましくてしかたなくて。

たとえボロボロの服しかなくても、食べるものが少なくても、ただ両親と友達がいる生活がしたかったんだ。



「ねぇ、私はずっとこのままなの?」



そんな私の言葉を理解したかのように、鳥籠の中の文鳥が鳴いた。





.






僕はいつも1人だった。


パパもママもお医者さんで、昔は街で貧乏だったけど病院を2人でやってて、ご飯も寝るのも一緒だった。

だけど、ある日突然王様に呼ばれたんだ。

僕のパパもママもとっても優秀なお医者さんで、お城専門のお医者さんになって欲しいって。


王様はとてもいい人で、今までより何倍も大きい家に住んで。

夢の世界のはずだった。

でも僕は一番大切なものを失ったんだ。



ある日使用人の人が同い年の女の子がいるのよ、

なんて言って連れてきてくれた君の部屋。

君は僕がくるのを少し緊張した様子で待っていて、

とても綺麗なドレスを握りしめていた小さな君の手を僕はなぜかとても鮮明に覚えていた。


君は使用人の人が名前を呼ぶとハッとこっちを振り返り、満面の笑みを浮かべた。

その瞬間僕の世界が輝いたんだ。

当時そんな言葉は浮かばずとも、本当に一瞬で世界が変わった。

失ったものを全て君が埋めてくれた。



「Aです!よろしくね!」



そんなふうに笑った君に僕は幼いながらも恋をしたんだ。








あの甘い実を __ 2→←ちゅー __ 2



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設定タグ:QK , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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はるむにに(プロフ) - てけまるさん» よかった〜!!頑張るね!ありがとう! (2020年5月3日 13時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
てけまる - 最後のお話が須貝さんは、私得すぎた!!移行先のお話も楽しみにしてます! (2020年5月3日 11時) (レス) id: 3d0cdf9097 (このIDを非表示/違反報告)
はるむにに(プロフ) - 絹田きぬたさん» ありがとうございます!河村さんはキスというと信じているのですが、意地悪にチューって言って欲しい願望があります。笑 ありがとうございます!頑張ります! (2020年5月2日 20時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - kwmrさんのお話…もう最高でした…めちゃくちゃ悶え苦しんでます。河村さん可愛いし、かっこいいし、ずるすぎます!めっちゃ、もう言葉がまとまりません…とにかく最高です!次回作も楽しみにしております! (2020年5月2日 20時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
はるむにに(プロフ) - ちょこさん» ありがとー!!私も好き。ちょこちゃん大好き。が、頑張ります、!((笑 (2020年5月2日 19時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はるむにに | 作者ホームページ:   
作成日時:2020年3月24日 0時

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