頼って __ trsk ページ36
朝、僕達はいつもおはようメールをするのに、Aから珍しくメールがなく、心配になって電話をかけると苦しそうな声。
Aは前から風邪をひいても僕に言わないことが多い。
迷惑かけちゃうから、なんてこっちとしては頼ってもらえる方が安心で、嬉しいというのに、Aは何年経っても男心を理解していなさすぎだ。
『ねぇ、A。昨日からでしょそれ。』
そう電話で聞くとバレた?なんて明らかに無理をした声が返ってきた。
はぁ〜。
やっぱり昨日のメールが少しおかしかったのもこのせいか、
『とりあえず、今から家行くから!待ってて!』
そう有無も言わせぬ速さで電話を切り、Aの家までやってきた。
「ごめんね、鶴ちゃん、忙しいのに、、」
僕がインターフォンを鳴らすと、申し訳なさそうにふらふらとしたAが扉を開けた。
「いいの!Aは俺をちゃんと頼るの!」
そういうとAは少し嬉しそうに微笑んだ。
でも辛そうなのは相変わらずで、
「A、歩ける?だっこしようか?」
なんていうと顔を赤らめて断るA。
いちいち可愛いな、なんて言ったら軽くパンチを喰らいそうなのでやめておこう。
「大丈夫?」
そう声をかけながらAをベッドまで運ぶ。
とりあえずコンビニで買ったものを台所に置きに立ち上がろうとすると、袖を軽く引っ張られて引き止められた。
「さ、寂しいからここにいて?」
なんて、熱とこの空気も相まって、頬を赤く染めたAに言われたら、そんなのとどまるしかなくて。
優しく頭を撫でてあげると気持ちよさそうにして、少し落ち着いたようだ。
「ごめんね、つるちゃん。」
「ううん、いいの。」
「ありがと、大好き」
「俺も大好きだよ。」
そう言って俺はAにマスク越しのキスをした。
するとAは少し驚いて、顔を真っ赤にして照れる。
「あのさ、治ったらマスクなしね、?」
なんて、当たり前じゃないか。
たくさんたくさん優しいキスをあげるよ。
「うん。もちろん。」
そう言って熱を持ったAの手を取ると、安心したような顔で春は眠りについた。
おやすみ、僕のお姫様。
「大好きだよ、無理しないでよ、愛してるよ。」
なんて呟いてみると、Aは心なしか少し幸せそうな顔をした。
早く治してキスをしよう、
マスクなしのゼロ距離で。
この時Aが起きてたなんて知るのは、また別のお話。
ちゅー __ sgi→←今はこれっぽっちも知らない __ 3
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はるむにに(プロフ) - てけまるさん» よかった〜!!頑張るね!ありがとう! (2020年5月3日 13時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
てけまる - 最後のお話が須貝さんは、私得すぎた!!移行先のお話も楽しみにしてます! (2020年5月3日 11時) (レス) id: 3d0cdf9097 (このIDを非表示/違反報告)
はるむにに(プロフ) - 絹田きぬたさん» ありがとうございます!河村さんはキスというと信じているのですが、意地悪にチューって言って欲しい願望があります。笑 ありがとうございます!頑張ります! (2020年5月2日 20時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
絹田きぬた(プロフ) - kwmrさんのお話…もう最高でした…めちゃくちゃ悶え苦しんでます。河村さん可愛いし、かっこいいし、ずるすぎます!めっちゃ、もう言葉がまとまりません…とにかく最高です!次回作も楽しみにしております! (2020年5月2日 20時) (レス) id: 6912973321 (このIDを非表示/違反報告)
はるむにに(プロフ) - ちょこさん» ありがとー!!私も好き。ちょこちゃん大好き。が、頑張ります、!((笑 (2020年5月2日 19時) (レス) id: 33dd96b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるむにに | 作者ホームページ:
作成日時:2020年3月24日 0時