恋の炎色反応〈QK〉

おかえりを君に __ kwkm ページ31

ヤドリギの下で の中の、「ただいまを君に」より。

読んでない方は先にそちらを読んだほうが楽しめると思うので是非。


ヤドリギの下で君と はこちらから。








「もう知らないもん！今日家帰んない！馬鹿！」


そう言って勢いよくドアを閉めて家を飛び出した午前7時。

私たちはちょっとしたことから喧嘩をして、勢い余って家を飛び出してきてしまった。

しっかり着替えて用意もしていたからいいものの、出社するにはまだ早い。

私はまだ冷めやらぬ怒りを抑えるために近くの公園のベンチに腰を下ろした。


「はぁー。」


なんてため息をついてみても、頑固な私はどうしてもモヤモヤして。

あ、拓朗にいってらっしゃいできなかった。

なんて当たり前だった習慣が初めて途切れたことに気づく。

その瞬間、怒りより喧嘩の悲しみが勝って、


「馬鹿なんて、言わなきゃよかった。」


そんなどうしたって遅い後悔に駆られた。

そんなどうしようもない後悔と共に会社に出社して、デスクにに鞄を置くとチラッと見えたキーケース。

それを見るとやっぱり怒りより悲しさと申し訳なさが勝って、


「今日、拓朗の好きなもの買って帰ろ。」


私はそう決心してデスクに向かった。



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