恋の炎色反応〈QK〉

順従に __ wtnb ページ4

私はこの求め合うキスも、


触れ合う肌の温もりも。


そんなの全部いらなかった。


だけどただ、


ただ一言、



私は愛が欲しかった。



「A、今日いつものとこ」



そんな素っ気無い言葉であなたは私を呼び出すの。


私はその度悲しくなって、


でもそれとは裏腹に呼ばれた名前に心は踊って。


私はいつも順従で。



だからこんなことになるのよね、なんて。



予定全部教えといて。


そんなこと彼氏でもないあなたに言われて、教えてしまう私も私だわ。



でも、一つだけ気になるのよ。


予定を教えているはずなのに、男性がいる食事などの日はわざと誘ってること。


そんなことされたら期待するわよ？



なんて。


きっとあなたは私が誰かのものになったら困るだけなのよね。


あなたのものにはならせてくれないくせに。


本当にずるい人だわ。



私は甘い匂いに誘われて、食虫植物に捕まった虫のよう。


ゆっくり時間をかけて、ドロドロになってあなたに取り込まれるんだわ。


嗚呼、でもそう考えると素敵かもしれないわね。


私はあなたの中で生き続けるのよ。


いいわ、このままドロドロにして、いっそ殺してくれればいいのよ。


あなたが私を食べてくれるなら。




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