恋の炎色反応〈QK〉

俺でいいじゃん。 __ kwkm ページ29

「はっ、かっこいい！うわぁ、反則だよぉ〜。キャー、あぁ、もう無理死んじゃう。」


今日は私の自担さまがテレビに出る日！

本当にカッコよくて、騒いじゃうのは仕方ないと思うんだ。

だけどそれをよく思わない方が1人。


「誰？」

「〇〇くん。」

「ふーん。」


そう、彼氏の拓朗である。

普段は不機嫌なこともほとんどないのにとても仏頂面の拓朗。

でもごめんっ、！

このテレビだけはリアタイしたいんだ！！

そうしてあっという間に終わってしまったその番組。


「あー、カッコよかったぁー！」


そう言ってソファーに雪崩れ込むと突然拓朗に唇を塞がれた。


「やだ。うるさい。」

「ふぇ？」

「俺でええやん。」


そう言って今度は強引に唇が重なり深くなる。


「ん、ふぁ、たくろ、」

「Aがうるさいんがいけない。」

「だって、自担だ、んんっ、まっ、たくろっ、」


言い訳なんてしようとするとすぐさま唇を塞がれて、意地でも自担の名前なんて出させない。


「Aは俺だけみてればええの。」


そうむすっと可愛く拗ねた顔。

だから拓朗の目を見て


「私は拓朗が1番だよ？」


と、正直に気持ちを伝えると、急に顔を真っ赤にして照れる。


「知ってる。」


なんて言ってもさっきと表情が違うのは丸わかりで。

我慢できずに可愛いほっぺを摘む。


「拓朗可愛い！」


なんていうとまた少し不機嫌な顔。


「可愛いよりかっこいいがええもん。」

「じゃあかっこいい！」

「じゃあってなんなん、しょうがないな、今夜はかっこいいしか言わせなくしてやる。」


そう突然宣言したかと思えば軽々と持ち上げられて運ばれたのはベッドの上。


「Aがいけないんやから。覚悟できた？」


そんなふうに笑った拓郎の顔は獲物を見つけた狼の目をしていて、


「し、しょうがないな、」


なんて私が言った時には完全にもう形勢逆転していて、


「いただきます。」


そう拓朗が唇を舐めた時には私はすでに罠の中。

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