恋の炎色反応〈QK〉

運命 __ ２ ページ28

私たちは大学で奇跡の再会を果たしてからと言うもの、昔のように、あいていた時間なんてなかったかのようにたくさんのことを話した。

なんで今まで会えなかったんだろう、

そんなことを思うくらいには運命を感じて、

大昔の恋には当たり前のように再び火がついた。

運命

なんてきっとこの世界から見たらちっぽけで、

でもおっきな奇跡で。

私たちが会うことは運命だったんだ。

うん、そう、会うところまではね。


「颯くんってさ、彼女いるの？」


なんて、そんな期待しかないよ。

自分から傷つこうなんて、そんなのしないから。

でもね、ここらかもきっと同様に運命だったんだ。


「うん、いるよ？」


なんて、当たり前だ。

少し考えれば分かったのに。

お姫様なんて私はなれないんだ。

そんなの、とっくの昔にわかってたのに。


「そうなんだ、いいなぁ〜」


なんて、どんなごまかし笑いをしたって、どうせあなたにはわかりゃしない。

だって、ずっとずっと会えない運命だったものね。

私が会えない間に習得したごまかし笑いだもの。

そう、これはずっとずっと運命で、

この世界の運命は私たちのことなんか全く関係ない。

感情なんて全て無視して、レールの上を歩かされるただのマリオネット。


「幸せになってね」


なんて笑って立ち去って、

あたかもまたすぐ会うみたいに。

でももう会わないよ。

そう、これも運命だから。

バイバイ。

なんて全て逆らえやしないから。




「東大医学部のプリンス、水上颯、！」

「交響曲第五番ハ短調、！」

「ピンポンピンポンピンポン！」


運命なんて、この世になければよかったのに。

ドアなんてノックされた覚えないけどね。

ほら、こうやってあなたがどんどん遠くに行ってしまうのも運命なのよ。


「好き。大好き。」


そんな言葉が壁に吸い込まれて消えていった。

俺でいいじゃん。 __ kwkm→←運命 __ mzkm

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