恋の炎色反応〈QK〉

Primula __ 春の風 __ ３ ページ26

『明日、卒業式終わったら校舎裏に来てください！』

そう勇気を出して送ったメールは、ただの記号なのに私みたいに震えている気がした。


「Aちゃん」

「先輩、！あの、」


そう最後に告白しようとしたのに。

いつもみたいに振られて、笑ってバイバイだと思ったのに。

なぜかそこで告白は遮られて。

泣きそうで目を合わせてなかったことに気づいて顔を上げると、とっても優しく微笑む先輩。


「俺、Aちゃんのことが好きです！ずっと待たせてごめんな、」


そう言って来る？と両手を広げた須貝先輩。

その大きな胸に私は脊髄反射で飛びこむ。

自然と涙がボロボロと溢れた。


「遅いです、！」


なんて本当は嘘だけど。

今頑張ったこの私を好きになってくれたなら、


「俺遠く行っちゃうけど、Aちゃんが寂しくなったらすぐ駆けつけるから。あと、どんどん可愛くなるAちゃんに釣り合う男になるよう修行してきます、！」


なんて先輩は冗談めかして笑った。


「私も絶対来年東京行くんで、他の女の子に目移りとかしないでくださいね？」

「もちろん。じゃあ来年、迎え来るから。待っててねお姫様、」


そう言って見つめあって私たちは優しく誓いの、甘い甘いキスをした。

私の高校生活は、あなたがいたからとてもとても美しかったです。

これからも2人で美しい日常を紡げたら、





「お迎えにあがりました、姫。」

「駿くん！」



校庭の桜は溢れんばかりの花と幸せを抱えて、春の風に揺れていた。






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