恋の炎色反応〈QK〉

Primula __ 高嶺の花 __ ２ ページ22

それから彼女は俺に気づくといつからか手を振ってくれたり、お互い1人だったため昼休憩も共にするようになった。

彼女はとても明るくて、意外にも活発な、元気な子だった。

だからたとえ話の流れでも、


「私ってなんなんだろ、」


なんてある日突然呟いた彼女を放っておくことはもちろん俺にはできなくて、


「私ってさ、どんだけ努力しても、みんなAだからね。の一言で。多分私自身を好きな人なんていないんだ。あ、なーんて？ごめん気にしないで！」

「俺は好きだよ。Aちゃんのこと。」


なんて似合いもしないセリフを吐いてしまったのは必然だと思いたかった。

たとえどう思われても、

告白と取られても、

好きな子が泣いているのを見てられるほど、俺は気づくフリが上手じゃない。

彼女が苦しんでるなら、


「え、？」

「俺はたくさん努力してるAちゃんを知ってるし、きっと他のこともたくさん努力してるんだろうなって。人に見られてなくてもやめずに、ずっと努力し続けてきたAちゃんが好きだよ。」


思わず俺らしくなく語っちゃって、Aの目から溢れる涙を拭ったり、そんなことしてでもAには笑顔でいて欲しかったんだ。

そこから俺たちが付き合うまではすぐで、付き合ってからはAの努力にすごく驚いた。

本当に努力家ですごい人で、俺も自然と頑張るようになって、気付いたら東大にいた。



「A、」

「ん？」

「俺Aのこと好き。」

「何突然。」

「昔のこと思い出してさ、」

「私もこうちゃんのこと好き。」


高嶺の花は元から高嶺じゃなくて、でも心はとてもきれいな、俺の世界一の彼女。




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