恋の炎色反応〈QK〉

Primula __ 高嶺の花 __ wtnb ページ21

俺の彼女はそれはそれは可愛い。

いや、可愛いと言うより美しいが正解だろうか。

そんな彼女は告白を受けるのも日常茶飯事で、一目惚れの告白でさえ2週間に一度は受けるくらいだった。

しかし、皆さんここで疑問に思っただろう。

どうして俺と彼女が付き合っているか。

そう、それはちょっとした偶然から始まった奇跡だったのだ。

俺が高校に入学してすぐのことだっただろうか、

なんてカッコつけて回想してみても、きっと俺ではカッコつかないのではっきり言おう。

そう、あれは俺が高校に入学して5日後のことだった。

入学して早々にすでに噂になっていた彼女のことは、もちろん思春期男子としてはチェック済みだったし、偶然にも同じクラスだった。

しかし、同じクラスとはいえどもどうせ話しかけられず関わらないのであろう、そう思っていた。

その当時のAは成績優秀、運動神経抜群と言ったようにスター要素満載で、男子ファンはもちろん、珍しく女子ファンも多くいたのだ。

まさに高嶺の花、なんて思っていたそんなある日、俺は意外な場所でAを見てしまった。

それは市の図書館。

俺は今こそは東大生だなんだと売っているものの、当時は必死に勉強しないと到底授業についていけず、同級生があまり通わない市立図書館で隠れて勉強をしていたのだ。

なんでここでAを見つけたのが意外なのかというと、Aはもっぱら勉強をしないと噂だったからだ。

なのに学年トップで首席。

今考えればおかしな話だが、噂に尾鰭は付くものであり、やはりスターはみんなの希望も背負わされるものなのだ。

それからというもの、俺は毎週のようにAを見るようになった。

彼女はとても真面目で、俺も頑張ろうなんてくだらない理由でモチベーションが上がっていたのはいうまでもない。

そして隠れて努力する彼女に恋に落ちたことも。



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