恋の炎色反応〈QK〉

桜の世界で __ fkr ページ13

最近不思議なことを体験するようになった。

少し記憶が飛ぶことが多くて、というかたまに数分だけ記憶が周りと違って。

私としてはすごく意識がはっきりしているのに、私が経験したことを周りは覚えていなくて、どうやらそのとき私は心ここにあらずみたいな様子らしい。

だから最近私はなんだかよくわからなくて、

まるでその時間だけ別の世界に行ってしまった、そんな風だった。


「Aちゃん、」


そうふくらさんに名前を呼ばれてハッとする。

ふくらさんは私の好きな人で、好きな人に名前を呼ばれたという嬉しさと、パソコン画面と向き合っての違和感に心臓がドクドクと早く波打った。

なんでさっき進めてた記事、全く書いてないんだろう。

おかしいな、だってあと保存するだけだったはずなのに、、


「大丈夫？最近調子悪そうだけど、」


そう心配そうに首を傾げるふくらさん。

本当に優しくてやっぱり好きだなぁ、なんて。


「あ、いや、大丈夫です！すこぶる元気ですので！」


そう不安を見せないように笑って見せるとそれならいいけど、、と困った顔。


「ほんとに無理しちゃダメだよ？何かあったらすぐ言うんだよ？くだらないからとか言って話さないのなしだよ？分かった？頼るんだよ？」


そう最後に怒涛の念押しをして私の頭を撫で自分の仕事に戻ったふくらさん。

本当に優しくて恋できてるだけでも幸せ。

なんて思ってたのに最近は近くに行けば行くほど、恋人に憧れて、

めんどくさいですよね、

不思議な漠然とした不安なんて絶対話せないけど、もう一つの悩みはふくらさん、あなたのことです。

なんてこんな腐るほどあるような少女漫画のセリフみたいなこと言ってもいいですか？

受け止めてなんて贅沢なこと言わないんで。

なんでも聞いてくれるんですよね？


「あの、ふくらさんっ、今度ご飯とか行きませんか！」


私の気持ち伝えてもいいですか？



→

桜の世界で __ ２→←白をピンクで __ kwmr

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す