検索窓
今日:12 hit、昨日:17 hit、合計:84,981 hit

最後の記憶 ページ49

考えすぎた。



私は駅前のベンチでボーっとしていた。

うわ、もうこんな時間。



電車も一駅前に降りてしまった。


ほんとにボーっとしてて

いわゆる「つんだ」ってやつか。



仕方なくタクシーで帰ることにした。




『荷物多いんですけど、、はい。お願いします。今乗せますので。』


「こんな時間にご苦労様です。私がお荷物を乗せますのでお客様はどうぞお入りください。」



お礼を言って持っていた荷物を渡した。

その時携帯の画面がピコんと光った。



ロック画面に映ったのは

【リンちゃん:この時間にすいません。明日の事で、、、】
【佐久早君:おい】
【佐久早君:寝ろ】



ちょうど電話までかかってきた。


心配させてしまった挙句迷惑までかけていた




佐久早君からの電話に応答しようと


その時だった。




自分の正面真っすぐ


都会ならではの大きな交差点


「喧嘩なんてしなきゃよかった。。」


悲しそうな顔で呟いていたのが聞こえた。

眠たそうにも見えて


トボトボ歩いてる



私よりも小さな男の子。きっと小学生くらいかな。




こんな時間に一人で、交差点の信号はもう変わりかけていた。




声をかけようとしていた。




でもそれよりも速く体が動いた。


向こうの方からクラクションを鳴らすトラック。




その運転手と目が合ってなんとなく感じた。








鳴り止まない電話の着信音とラインの通知音。






気にせずスマホをタクシーの後部座席に放り投げて


「お客様?!」


男の子の方に走っていた。





私の最後の記憶だった。









『届いて』









『間に合って』









でも本当に最後に見えたいた記憶は




四人でバレーした時の事







一緒にお腹抱えて笑ったり






ここに来てからの新しいこと









それと





初めての朝練









佐久早君と二人っきり









体育館をこっそり使った時のスパイク練習









彼のスパイクが正面に来ると分かったとき









ほんの一瞬だけ目が合った時の









彼の笑顔だった。









ドン!

お知らせ→←お知らせ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
546人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

モモ - にやにっやしていて自分でも本当に気持ち悪い。こんなおもろい話を書く作者さんが悪いんですよ!! (2023年1月2日 22時) (レス) @page3 id: 759a61aa3f (このIDを非表示/違反報告)
お日向ぼっこ(プロフ) - はちみつレモンさん» そんな読んでくれてるあなたも好き! (2021年11月1日 1時) (レス) id: f2de4cbf7a (このIDを非表示/違反報告)
はちみつレモン - あ“ぁ〜。臣くんの不器用さがまたいい…………好き! (2021年10月27日 22時) (レス) @page46 id: d0d136fad8 (このIDを非表示/違反報告)
お日向ぼっこ(プロフ) - あさなさん» ありがとうございます!明日、もしくは明後日には皆さんに読んで頂けそうです! (2021年9月19日 22時) (レス) id: 9fd2cf6c80 (このIDを非表示/違反報告)
あさな - 番外編楽しみにしてます!! (2021年9月19日 20時) (レス) id: 0f436141f0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:お日向ぼっこ | 作成日時:2021年9月3日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。