正しい笑顔の作り方 (ページ2)

今日:4 hit、昨日:4 hit、合計:4,082 hit

三次元ページ2

私は、高校の卒業式の後。こっそりと廃墟に向かった。

いつものようにきっちりと着こなした制服姿。片手に携帯を握りしめて。

ただゆっくりとその廃墟の階段を上る。

もう何もかも嫌になった。…というのはうそになるか

私には家族がいた。家族と過ごした時間は楽しかった。温かい食卓を囲んで、仲良く話をして父と母は頷いてくれたり、笑ってくれたり、時には話を聞かせてくれたり。

そんな時間が楽しかった。。。。。。。

でもその思い出は物心つく前に過ぎない。学校に通い始めて私は他人からの評価を受けた。

つまらない、怖い、近づきたくない、ときには物を壊された。家に帰っても荒らされていて母が泣いているか父が怒鳴っているか。二人は話が合わないみたいだ、もう愛を誓えられないみたいだ。

母が別の男性と電話をしていた。それは深夜のことで、何やら楽しそうに、父が起きて気づかれそうになると電話を切る。

父はいつも仕事だ、毎日違う場所で毎日違う仕事をする。私が父の顔を見るのは半年に一度歩あるかないかだ。頑張ってるのは知っている。でも生活費を払ってくれたことはない。お小遣いをくれたり、お正月に誕生日、クリスマスやハロウィン、旅行も私の思い出にはこれ一つもなかった。

その分母が必死だった。学校も無事通え携帯やある程度の暮らしに困ることはなかった。でも幸せとは感じなかった。

もう6歳のころから、学校に私の場所なんてなかった。家に帰っても外を歩いても、どこにいても。

こんな日々がひっくり返されることはなかったけど、勇逸ずっと離れることがなかったひかりがある。それは、、、、、

『かっこいいなぁ、、、』

アニメに音楽、そう、その画面の向こう側だった。

私はその憧れに心を照らされた。