ナナイロノオト 2

優しいおとんと息子 ページ45

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治療当日



崇裕 ｢ ふふ、あかん？ ｣


望 ｢ んーんっ、こっちがええっ ｣


崇裕 ｢ 良かった〜 ｣




歯医者には予定通り
淳太と照史が付いてきてくれて…


おとんが治してくれるんかと思ったけど…



｢ のんすけのことな、
ちゃんと傍で見ときたいんやんか？ ｣


｢ 自分のこと責めてるかもやけど、
小学生なんてまだまだ親の責任やねんから。

淳太と照史に見てもろて、一緒に頑張ろっ ｣



と、おとんは…
歯医者の格好もせずにずっと手を繋いで傍に居てくれた。





淳太 ｢ のんちゃんお口開けられなさそう？ ｣


望 ｢ …… ｣



照史 ｢ そんな泣きそうな顔せんで？
初めは検診と一緒で見るだけやからね。 ｣


望 ｢ …んっ… ｣




崇裕 ｢ のんすけ。
ちょっと深呼吸して、淳太と照史みてみ？

怖い顔やなくて優しい顔しとるから。 ｣


望 ｢ んっ…

………こくん、 ｣




2人を見つめると、
優しく微笑んでくれた照史と…

｢ おとん難しい注文せんとって？ ｣

と言うて笑ってる淳太。




崇裕 ｢ さっきまでの顔で全然良かったのに〜

でも、
淳太も全然怒ってへんの分かったやんなぁ。 ｣


望 ｢ …こくん、 ｣



崇裕 ｢ のんすけが治療するん初めてなんも、
2人とも分かっとるしな？

そんな何にも怒らへんよ。 ｣


望 ｢ …流星くんは、？ ｣




照史 ｢ 流星は淳太くんとしてる約束をな？
ちゃんと守らんから怒られてるねん。

望は大丈夫やで。
約束破って怒られるんは当たり前やんか？ ｣


望 ｢ こくん。

のん、約束ないから…おこらん？ ｣



淳太 ｢ 約束破らんかったら誰にも怒らんよ。

それより初めてやし、
怖いことは怖い言うて教えて？

なんとか頑張れるようにするつもりやし。 ｣


望 ｢ んっ ｣




崇裕 ｢ ふふ、
お兄ちゃんら優しくて良かったなぁ〜 ｣


望 ｢ こくん。

…少しがんばる、、 ｣



崇裕 ｢ おっ、流石や！ ｣




その後、そう言ってもらったのに…


なんて言われるかも怖くて、
初めは上手く口も開けられへんくて…




でも、怒らずにずっと待ってくれたから、
ちゃんと口を開けることが出来た。





｢ のんすけ、ほんま偉いわぁ〜！ ｣


って、
おとんが笑ってくれるんが嬉しい。






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