ナナイロノオト 2

憧れと、優しさと。 ページ18

＊



淳太 ｢ この後レントゲン撮ろうな。
痛くないから大丈夫。 ｣


崇裕 ｢ ……… ｣



淳太 ｢ 歯の中までは流石に俺も見れないからさ。

レントゲンで撮影すると歯の中まで分かるから
確認しておきたいなと思って。 ｣



そういうと頷いてくれて撮影。



淳太 ｢ うん、そうだね。
結論から言うと虫歯ではないよ。 ｣


崇裕 ｢ ぇ、 ｣



淳太 ｢ 痛いから虫歯かと思った？

下の大人の歯が頑張って
上の子供の歯を押してるんだけど、
押してもなかなか抜けないから横から生えてこようとしちゃっててね。

大人の歯も子供の歯も生えてきちゃったら
ぎゅうぎゅうになるでしょ？それで歯が痛いの。 ｣


崇裕 ｢ ………また、抜くの、、？泣 ｣



淳太 ｢ その方がいいと思うけど…
ごめんな、怖いのに。 ｣


崇裕 ｢ …っ… ｣



怖いなって思ってることが、
また起きてしまったらキツイよな…

むしろ虫歯の方がすんなり進んだのかもしれない。


でも、麻酔さえ頑張れば
痛くもないしこのぐらいならすぐ抜けるし…


崇裕には少し頑張ってもらいたいんだけど…




淳太 ｢ 初めにお薬入れて
歯を抜くの痛くないようにするからさ。

初めだけ頑張ったら怖いことしない。

約束するから少し頑張ってみない？ ｣


崇裕 ｢ じゅんた………。 ｣



淳太 ｢ 怖いのも分かるけど、
ずっと痛いって崇裕が悩んでるのもさ。

治してあげたいなぁと思うから。 ｣


崇裕 ｢ ……… ｣


淳太 ｢ 嫌なら嫌で大丈夫。
崇裕の考えてること教えてくれへん？ ｣



そう言うと、
崇裕は ｢ がんばってみたい ｣ と。

あかん時は止めるのと、
我慢し過ぎないことを約束して治すことに。




淳太 ｢ 痛かったな、ごめんなぁ ｣


崇裕 ｢ んっ…泣 ｣



表面麻酔を塗ってからしたんやけど
やっぱ少し痛かったかな。

流石に針刺して無痛とはいかんからな、、




淳太 ｢ お薬入れるんも頑張ったし、
あと少しやから終わらせてはよ帰ろな？ ｣


崇裕 ｢ んっ、 ｣



そこから痛くないことと、
怖くないことも伝え続けて…

なんとか抜歯は完了。




淳太 ｢ よう頑張った。

痛いところの歯抜いたからな？
ご飯とか痛いのも収まってくるからな？ ｣


崇裕 ｢ んっ、 ｣


淳太 ｢ よし、そしたら帰ろか〜 ｣




心細かったのか、
治療後は俺の手を握ってきた崇裕。


ほんっまによう頑張ったわ。




＊

憧れと、優しさと。→←憧れと、優しさと。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す