ナナイロノオト

いとこのお兄ちゃん ページ16

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智洋 ｢ 照史くん…？ ｣



照史 ｢ 大丈夫やで、ちょっと待ってな？ ｣


智洋 ｢ うん？ ｣




レントゲンを真剣に見つめる照史くん。

やばいんかな………




照史 ｢ そうやなぁ…うん。

今からちょっとお話すんで？聞ける？ ｣



照史くんは何かを決めたようで、
俺にそう問いかけてきたから頷く。




照史 ｢ 取れてしもたとこ、
ちょっと詰め物の下から虫歯なってるんやんか？ ｣


智洋 ｢ 治しとったとこ、？ ｣



照史 ｢ うん。
また虫歯なってもーてて、せやから痛いねん。 ｣


智洋 ｢ そっか、 ｣



水とか沁みてたし、
若干、分かっとったことやけど…

やっぱ虫歯って言われると…ね。




照史 ｢ ほんで、ここの細いとこわかる？ ｣


智洋 ｢ うん ｣



照史 ｢ ここが歯の神経やねんよ。

それにちょっと、
ともの歯はいくかいかんかギリギリやねん？ ｣


智洋 ｢ 神経いったら、やばいってこと…？ ｣



照史 ｢ まぁ、そうやね。

神経の治療はできるんやけど、
今後を考えると神経のない歯は寿命が短なるかな。 ｣


智洋 ｢ そうなんや… ｣



照史 ｢ せやから治療はなるべく、
神経を残す方向でやりたいと思ってる。 ｣


智洋 ｢ うん、 ｣



照史 ｢ ちょっといつもよりは時間かかるし…

もしかしたら、
最悪の場合は神経の処置せんとあかんかもしれん。 ｣


智洋 ｢ そうなん…？ ｣



照史 ｢ 虫歯大きなってもうて、
ちょっとほんまに神経ギリギリやからな？

頑張ってはみるけど…
今日治したあとも痛かったら、
神経の治療せんとあかんから保証はできひん。 ｣


智洋 ｢ … ｣



照史 ｢ それでもええかな？

それとも、大学病院の知り合いとかおるから、
ちょっと聞いてみよか？ ｣


智洋 ｢ それって、照史くんじゃなくて、
他の先生の歯医者行くってこと…？ ｣



照史 ｢ うん、そうなるかな… ｣


智洋 ｢ 嫌や…！

…照史くんが治すんがいい、 ｣



照史 ｢ そしたら保証はできひんよ？

やっぱ大学病院とかよりは、
設備とかも整ってるわけちゃうからな？ ｣


智洋 ｢ うん、ええ。

どうしても照史くんがいい… ｣



照史 ｢ ん、分かった。
なるべく頑張るからともも頑張ってな？ ｣


智洋 ｢ こくん ｣




真剣な話はそこまでで…




照史くんは、


｢ よっしゃ、とものために頑張るで〜！ ｣


と俺の頭を撫でた。





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