#101 ページ43
＊
翔 side
今日も疲れたなぁ。
部活が終わって家に帰る。
靴が2つ。
今日は父さん休みだからな…
誰かきてるんだろうな。
潤 「 おかえり。 」
翔 「 ただいま。 」
和也 「 おかえりなさい。
お邪魔してます 」
翔 「 和先生じゃん〜 」
和也 「 ふふ…久しぶりだね。 」
潤 「 翔、先風呂入るよな？ 」
翔 「 うん！ありがとう。
でも、和先生に用事ある。ちょっと待ってて。 」
和也 「 ん？ 」
そうそう、
一昨日もらった歯科検診のお知らせ。
予約取ろうと思ってたけど、
和先生がいるなら電話しなくていいし丁度いい。
和也 「 あぁ、これね。
うん、分かったよ。
何かと思ってびっくりしたよ？笑 」
そういう和先生は優しく笑ってて。
いつもこの優しさに
苦手な歯医者だけれど救われる。
翔 「 部活終わりならいつでもいけるっ 」
和也 「 また確認しておきます 」
翔 「 うんっ
お風呂入ってくるー 」
和也 「 いってらっしゃい〜 」
そう言って見送ってくれる。
「 翔って結構虫歯なるよなぁ 」
俺がリビングを出てから
父さんが話してる声。
…俺だってそんなことわかってる。
「 まぁ歯質もありますしねぇ。
翔くんが歯磨きサボってるとか…
虫歯を放置してるだとか…
そういうのだと仕方ないですけど。
ちゃんと綺麗ですし、
小さなうちに治してるから大丈夫ですよ。
潤くんと…ね、
翔くんのお母さんの歯質の関係もありますし
翔くんが駄目なわけじゃないです。 」
和先生はいつも優しくて。
決して、俺が悪いとは言わない。
でも、こんなのを聞くのも
めんどくさくなってすぐにお風呂へ。
和先生の言葉に甘えてる俺も確かにいて…
でも、父さんに指摘されるのも少し不快だし。
父さんだって虫歯いっぱい治してたし…
すっげぇ痛いって言ってたこともあったし。
ふと、思い出すのは和先生の言葉。
「 虫歯ができるかできないかは…
翔くんの行いが影響することが多いよ。
でも、虫歯のできやすさは、
風邪のひきやすい人とひきにくい人と同じで
お父さんとお母さんとかの関係もあるよ。
できやすさはコントロールしにくいかも
しれないけど、翔くんの歯磨きとか…
おやつの時間を守るとかね。
そういうのは翔くんでもできるから。
俺はそれを守ってくれてたら
絶対に虫歯になっても怒らないし。
翔くんが怖くないように治してあげる。 」
＊
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作者名：みぃたん | 作成日時：2020年2月5日 21時
