#003 ページ37
＊
でも、そんなことも知らずに…
「 あ！〇〇くんっ！
お疲れさま〜。部活どうっ？
いつも和をありがとう！ 」
何気なく雅紀が掛けてた言葉。
「 良い人だけど、
お人好しだよな…雅紀先輩。
弟があんなんじゃなきゃな… 」
引き金は和の同級生こんな会話。
「 うるさいぐらい明るいし、
なんにも考えない馬鹿だけど。 」
「 お前らが…
まぁくんのことだけは馬鹿にすんな。 」
頭にきた和が掛けた言葉。
でも、それは同級生を余計に怒らせる。
「 お前が何言ってんの？ 」
「 本当のことじゃん？ 」
「 てか、この歳でまぁくんって…笑 」
そこからかな…
前々からずっと陰口だったり、
たまに暴言を吐かれたり…
それは当たり前だったけど…
徐々に徐々に物が隠されたり…
掃除が当番制なのにやらさせられたり…
それでも和は、
「 大好きなまぁくん 」
を守りたくて。
「 雅紀先輩のこと、和がうるさいぐらい
明るい馬鹿だって言ってましたよ 」
なんて告げ口されてたりもしたらしいけど。
「 あひゃひゃ、ツンデレだ！ 」
なんてね。
雅紀は和の毒舌なのも、
気持ちを伝えるのが下手なのもわかってるから。
そんなふうに受け流してたし、
普通に家でも、
「 和ちゃん俺のお話してたんだ〜
もうずーーっと、可愛いね〜 」
なんて、嬉しそうに話してた。
そんな雅紀の様子に
和は確か…ほっとしてたね。
「 まぁくんが卒業するまで 」
と和の心では決めてたみたい。
それより前に…
俺が気付いたんだけどね。
家族にまで隠さなくていいのに。
ほんと、馬鹿な子。…優し過ぎるよ。
智 「 かず、ちょっとおいで？ 」
和也 「 ん？なに？
…えっ、痛いとこないし。 」
歯のことじゃないんだけどね…笑
俺の雰囲気から何かを読み取ったみたい。
智 「 歯医者さんは痛くなってから
行くところじゃないって言ってるでしょ〜
とりあえずお部屋おいで？ 」
和也 「 ほんとに痛くないんだから 」
智 「 はいはい…笑 」
そんなこと言いながら
付いてくる和と共に俺の部屋に。
智 「 んふふ、座って待っててね。 」
和也「 え、あ、うん…？ 」
いつもと違う雰囲気に
和はわからない様子だった。
智 「 ただいま〜
ふふ、ただのお茶だよ。 」
和也 「 歯のことじゃないの…？ 」
智 「 今日は違ったの。 」
和也 「 もうっ…焦るじゃん。 」
智 「 んふふ、ごめんね。 」
＊
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作者名：みぃたん | 作成日時：2020年2月5日 21時
