#002 ページ36
＊
「 俺らが誘っても来ないくせに 」
「 どうせ先輩らと遊ぶんだろ 」
と…
雅紀のせいではないし、
少し強引な時もあるけど…
それが優しさなのも知ってたから。
それに雅紀が居てくれないと、
和はずーっと、家の中でゲームしてるからね。
和も、雅紀には本当に感謝してて…
あんなんだけどね？笑
「 まぁくんが…まぁくんが、
悪いわけじゃないから言わないでっ… 」
そう泣きながら訴えてきたのも覚えてる。
小学校を雅紀が卒業し、
徐々にみんなとの距離があいた和。
でも、物的には何もやられてなかった。
心理的にはやられてたのだけど…
それには気づいてやれなかった。
「 なんでまぁくんの
同い年の子と遊んだだけでそうなるの？ 」
と…
むしろ、和も怒りに満ちてて…
それは家でも言ってたんだ。
「 きっと、まぁくん明るくて、
運動できるし皆も遊びたかったのかな 」
「 年上のお兄さん達かっこいいもんね 」
そう言う話もした。
「 まぁくん運動会の
応援の団長もしてたし人気だもんね 」
「 でも…僕のお兄ちゃんだけど 」
と…可愛い回答。
「 いいや、ゲームいっぱい出来るし！ 」
とニコッと笑って。
「 小学生の意地っ張りな喧嘩 」
という感じ。
それが、ヒートアップしたのは中学生。
雅紀 「 和、野球部どう？？ 」
和也 「 はいらないけど 」
雅紀 「 ええ、もったいなーい！
友達もたくさんできるし、入ったら？ 」
和也 「 別にいいよ、、
勉強も増えるし、ゲームしたいし… 」
雅紀 「 部活終わったあとにゲームしたらいいじゃーん 」
和也 「 …勉強は？ 」
雅紀 「 テスト期間は部活休みだもんっ！ 」
和也 「 … 」
雅紀 「 ね！体験だけでもっ！ 」
和也 「 ん 」
別にこの時は和も気にしてなかった。
中学校の部活だもんね。
「 また先輩と… 」
なんて思ってなかったんだ。
体験入部に行った和。
「 かずー！久しぶり！！ 」
「 和でかくなったな〜！ 」
と先輩達が仲良くしてくれて…
楽しかったみたいだ。
そこで入部を決めた和。
「 野球部エースの弟 」
「 大人気な雅紀さんの弟 」
その代償は大きくて。
「 甘やかされてる 」
「 別に大したことないのに弟だから 」
雅紀の存在が野球部で大き過ぎて…
影でコソコソ言われ始めた。
けれど、雅紀が夏の引退試合が終わった後。
雅紀が部活にいない事で
和への嫌がらせが、悪い方へ解放された。
＊
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作者名：みぃたん | 作成日時：2020年2月5日 21時
