#23 ページ23
＊
少しいつもよりも強めな口調。
「 歯のことで我慢しないでほしいんです 」
「 潤くんが言ってくれた言葉が…
初めてで…
でも、とても嬉しくて…
もっと良い関係になりたいなって
思ったんです。
駄目でしたか…？ 」
と…
「 人付き合いは下手で…
そんな、色んなことは、わかんないけど… 」
「 歯のことならわかるので… 」
とも付け加えられる。
そっか、無意識のうちに、
俺は和を苦しめていたんだね。
潤 「 ごめん。
今度からは耐えずに言うから。 」
和也 「 …ん。 」
潤 「 空気読めてないかもだけど…
俺はこういうの嬉しいよ。 」
和也 「 えっ……
あっ…また、俺、
なんか…間違えましたか…っ…。 」
潤 「 違う違う！
和が思ってること言ってくれて嬉しい。
付き合い方なんてそれぞれだし、
俺は前よりも今の方がいいなって思う。
和が思ってることって、
俺が質問するまで言ってくれないからすっげぇ嬉しい。
もっと言ってな？ 」
和也 「 え、あっ…はい… 」
なんでこれだけで、
和は耳が赤くなるかなぁ…笑
ま、ここが和のいいところだけど。
潤 「 ふふ…
頼りにしてるよ、和先生。 」
和也 「 は、はいっ…
先生とかやめてくださいよ…っ… 」
潤 「 へぇ…恥ずかしいんだ？笑 」
和也 「 …っ…
潤くん知らないですからね…っ
痛くなってもしりませんからっ… 」
照れた後の照れ隠し。
なーんて、和は上手いから
全然痛くなかったんだけどさ。
潤 「 すっげぇ綺麗！ 」
和也 「 良かったです。 」
潤 「 うん、ありがとな！ 」
和也 「 次ここが虫歯になれば、
神経の処置の可能性が非常に高くて…
いわゆる銀歯とか…
そうなる可能性が高いので気をつけてください。 」
潤 「 ん、分かった。 」
和也 「 ほんとにですからね？ 」
真剣な表情。
うん、分かってるよ。
この表情には、訳があって。
「 俺みたいになって欲しくないですから。 」
高校の頃は、
確か銀歯が入っていたような…
目立っていた記憶。
歯医者だから白くした？
なんて思っていた俺。
それは違っていたらしい。
「 そんな昔話いいんですよ。
とにかく気をつけてください！ 」
と話をはぐらかされた。
きっと、和にとっては
思い出したくないものなんだろうなと思って。
俺も聞かなかった。
誰だって知られたくない話はあるしな。
＊
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 312人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みぃたん | 作成日時：2020年2月5日 21時
