本当の気持ち -requestversion2-

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秘密の話。
俺が歯医者苦手という話。


でも、大倉のためになれたらええなと思ったから…



ヤス ｢ 大倉だけじゃないんよ。
大人なっても歯医者嫌いなんは。

俺もそのひとり ｣



大倉 ｢ …？泣 ｣



ヤス ｢ ほんまめっちゃ歯医者嫌いやねん。

今日かて、マルとか信ちゃんに甘えて、
優しくしてもらわな検診できんかったし… ｣



大倉 ｢ … ｣



驚きの顔で俺を見てくる。


驚くよな。
歯科医が歯医者嫌いって…



ヤス ｢ ほんま嫌いでさ。

元々好きじゃなかったのに、
小さい頃に行った歯医者でな？

おさえつけられて治療されてさらに怖なってんよ。 ｣



大倉 ｢ … ｣



ヤス ｢ だから虫歯にならんとこうならんとこう思うて歯磨きしとったら永久歯は虫歯ならんくて。

俺、トラウマやったけど…
歯医者に泣きながら入ったり出たりしてる子供たち見たらほっとかれんくてさ…

世界一優しい歯医者になろう
って決めて歯科医なってんよ。 ｣



大倉 ｢ せやから…子供ばっかみとるん… ｣



ヤス ｢ そうやよ。

そんでな？
気をつけとったんやけど…

大学最後の年に国家試験があって…
その勉強で忙しくて、勉強したまま寝落ちとかあってさ。

案の定、虫歯になってもうてんよ。 ｣



大倉 ｢ … ｣



ヤス ｢ 歯科医なる勉強しとったのにさ、
やっぱ、昔のこともあってまだ怖くて。

誰にも言えんくてさ。

僕ね、ずっとずっと隠しとったんよ… ｣



大倉 ｢ やすが… ｣



ヤス ｢ そうやよ。
ほんまに耐えられんぐらいになってきて、
それでも歯医者には行かんかったんよ？

自慢することではないけど、
ほんま放置してさ、俺我慢強いんよ？ ｣



大倉 ｢ … ｣



ヤス ｢ ほんで…たまたま歩いとったら、
会ったのが先輩やったマルとしぶやんなんよ。

2人で歯医者しとるからおいでって連れてかれて…

先輩やったし俺も逆らわれへんかったんよ。 ｣



大倉 ｢ んくっ… ｣



ヤス ｢ でも、怖くて…

診察室入る前でめっちゃ泣いてもうて…

体も震えとったし…
ほんま、信じられんぐらい怖がっとって…

俺ほんま再認識した、歯医者嫌いやって。 ｣



大倉 ｢ んくっ… ｣



ヤス ｢ せやから国家試験も諦めた方がえーかなって頭では思ったし…

そう思ったら余計に怖なって。
ずっと積み上げたもん壊れた気がして。

その時はもう無我夢中で…

嫌な言葉も…辛かったことも…
二人に当たってもうてな。 ｣



大倉 ｢ … ｣




＊次回2/13です！

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