# ページ14
"連絡先聞いてもいい？"
車に乗るとそう言って遠慮がちに携帯を出した彼。
それが可愛くて笑えば"ほんと恥ずかしい"と俯くから私はまた声をだして笑った。
岳「俺ちょーださいじゃん。」
恥ずかしそうにハンドルに顔を伏せた彼。
『そんなことないよ、可愛い。』
岳「それはそれでやだなー。笑」
そう言って彼が笑うから私もつられて笑う。
岳「笑いすぎ。笑」
ぺしっと軽くデコピンされればそこは痛みとは違う熱を持った。
岳「俺を笑った罰でーす。笑」
はい、出発。という言葉を聞いて慌ててシートベルトをつける。
携帯には新たに登録された"柴崎岳"の名前。
それが嬉しくて、にやける顔を隠すように真っ暗な窓の外に目を向けた。
車内には流行りのjPOPと時折彼が口ずさむ声。
それが心地よくて、遠回りして帰ってくれないかな、なんて考えてしまう。
『そこの突き当たりを右で。』
岳「了解。」
そんな淡い期待は"道案内して？"の言葉と共に消え去る。
『ここです。』
ゆっくりと止まる車の横にはレモン色のアパート。
岳「遅くまで付き合わせてごめんね。」
『いえいえ、こちらこそ。』
明日午前中練習だと言っていた彼の方がきっと大変で、お礼を述べて車を下りる。
岳「明日終わったら連絡すんね。」
多分12時過ぎちゃうなー。と言う彼を見て私はあ、っと思い出したようにカバンをあける。
『岳くん、これ』
岳「ん？」
眠くならないように、そう言って渡したのはレモン味の飴。
岳「サンキュ。」
もう少し運転頑張りますかね、と笑う彼をもっと見ていたい。
岳「じゃあまた。おやすみなさい。
早く家入って？俺出発できないから。笑」
笑いながら窓を閉める彼におやすみなさい。と頭を下げれば手を振ってくれた。
名残惜しく階段を登れば車のエンジンをかける音。
振り返ると彼もこっちを見ていて"はやく"と笑っているのが見えた。
再度手を振り今度は振り返らずに階段を登りきる。
丁度上に着いた時に車が発進する音が聞こえて、思わず振り返ってしまった。
『岳くん...』
ポツリと呟いた言葉は冷たい風に攫われ消えた。
車が見えなくなったのを確認してから家へ入る。
『明日も会えるのか...』
なんだか恥ずかしくなってベッドへダイブした。
お礼のメール送ろう。
いや、でも明日も会うのに変かな？
どうしよー、とバタバタしながらあーでもないこーでもないと独り呟きながら夜は更けていった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 343人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴん(プロフ) - あぴさん» はじめまして！92年組いいですよねー(*^^*)続編も繋げましたので、これからも楽しんでいってください！ (2014年9月28日 1時) (
レス) id: 68d9f0fc5a (このIDを非表示/違反報告)
ぴん(プロフ) - みよ吉さん» はじめまして！小説読んでいただきありがとうございます！これからも更新がんばりますね。応援よろしくお願いします♪ (2014年9月28日 1時) (レス) id: 68d9f0fc5a (このIDを非表示/違反報告)
あぴ - はじめまして！私も鹿島と92年組好きなのでこの作品書いてくれて嬉しいです( * 'ω' * )これからも読ませていただきます(*｀ω´) (2014年9月26日 7時) (レス) id: d6f040fdff (このIDを非表示/違反報告)
みよ吉(プロフ) - はじめまして！私も岳さんすごい好きなのでこんな小説まってました！！これからも頑張ってください！応援してます！！ (2014年9月26日 7時) (レス) id: 1bb2225698 (このIDを非表示/違反報告)
ぴん(プロフ) - ゆうさん» はじめまして！コメントありがとうございます。これからも少しずつ更新していこうと思いますので応援よろしくお願いします(^o^) (2014年9月25日 22時) (レス) id: 68d9f0fc5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Pin
| 作成日時：2014年9月20日 20時
