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「平古シェフー…」
寝ているのを感じ取り、何故か声が小さくなる。
だが敏感に祥平は反応し、眉間に皺をよせながら瞳を開けた。
「あ?」
のびをしながら起き上がる祥平に、皿を見せる。
「食べますか?」
「尾花さん?」
「はい。」
単語で聞かれ分かるのはなんとなく二人が似ているからだろうか。
「よこせ、食べる。」
皿を受け取り、口で割り箸を割る。
顎で座れと隣を指すと、萌絵は躊躇わず座った。
もぐもぐと、沈黙を貫きつつたまにアイコンタクトを取る。
目が合えばどちらかが首をかしげどちらかが首を横にふる。
伝わっていないようだが。
食べ終わると、皿をひとつ空いた椅子に置き、ふう、と息をはいた。
「暑いなー。」
「長袖着てるからじゃないんですか?」
「日焼けするだろ。痛いのやだ。」
日焼け止めを塗れば良いのに、と言おうとしたが、祥平のポケットから覗くチューブを見て、グッと飲み込んだ。
だが男だから、とかは気にしていないらしく、日焼け止めを、堂々と塗り始めた。
「あ、ここ伸びてないですよ。」
自分の鼻の横をトントンと叩き、伸びていない場所を示すも、祥平は的外れな場所ばかり触る。
しびれを切らした萌絵は、自分の指で平古の日焼け止めを伸ばした。
「サンキュー。」
萌絵は若干気にしていたが、祥平は気にしていない様に、首にも塗り始めた。
いるか?とチューブを萌絵に向けるも、自分の持ってますと断られる。
ま、女子だし持ってるか。
手や足首にも塗り、祥平はまたポケットに仕舞う。
皿を戻す為に立ち上がるも、完全復活していない所為か、少しフラッとする。
同時に立ち上がった萌のに支えられ、また椅子に逆戻り。
萌絵が皿を片付けに行った。
日が落ち始め、祥平も談笑に参加した。
電話か入ると、祥平はすぐに席を外し、会話が聞こえないところまで離れた。
ディスプレイを確認すると、丹後学と表示されている。
祥平はすぐに電話をとるというボタンをタップした。
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柊 - 待ってます (2020年3月14日 23時) (レス) id: 4dd29c1c3e (このIDを非表示/違反報告)
にな - 更新待ってます!^_^ (2020年3月13日 0時) (レス) id: 4dd29c1c3e (このIDを非表示/違反報告)
ひらがなみすず(プロフ) - hirocddgsさん» 了解しました! (2020年3月6日 10時) (レス) id: c3925e2dd7 (このIDを非表示/違反報告)
hirocddgs(プロフ) - リクエストいいですか?柿谷が祥平のことが実はすきすぎてストーカーぽくなってしまって京野たちが助ける感じのが読みたいです。よければ書いてほしいです。 (2020年3月5日 22時) (レス) id: 9d0729a75d (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ありがとうございます (2020年2月25日 22時) (レス) id: b9cd9183e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みすず | 作成日時:2019年12月17日 6時