思い出の場所 (ページ10)

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❤︎10 side ran ページ10

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3年にもなって友達いねぇとか、マジで有り得ねぇだろ…

ま、そんな俺も同じようなモンだけど

学校来りゃ野郎はビビって逃げてくわ、女はベタベタとすり寄ってくるわ

クソマジメな学校のわりにゃ、案外自由に過ごしてるけど

俺以外に自由に過ごしてる奴に会うのは、初めてだった

Aちゃんは寄ってくる奴とは逆のタイプ

サバサバしてて、意外と気が強くて
でも、どこか寂しそうな感じも漂ってて

華の女子高生のくせに全然満喫してねぇ感じ

「Aちゃん、もっと高校生活楽しんだら？」

『何を今更…もうそんな夢も捨ててるよ』

「じゃあ、俺が今から楽しませてやるよ」

初めて会話をした時に気付いたけど、本当は根は明るい子だと確信してた

この学校に来たことで、Aちゃんが今のキャラになっちまってんなら、俺が元に戻してやるよ

楽しい高校生活がどんなもんなのか知ってもらいてぇ

なんなら、俺と過ごす時間の中で本当のAちゃんを知りてぇ

「Aちゃん、今日の学校終わりって用事あんの？」

『何も無い。普通に家に帰るだけだけど…』

「オッケー。なら、もう終わる時間だから、そのまま俺に付き合ってよ」

『つっ付き合う…？！』

「悪い事はしねぇから〜」

ゆっくり立ち上がって、Aちゃんに向けて手を差し出してみれば

オドオドしながら手を取ってくれたから

手を握って屋上を後にした

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