思い出の場所 (ページ40)

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制服の内ポケットから出てきたのは、可愛いリボンが付いた小箱だった

ブラウンの小箱にピンクのリボンが付いていて、プレゼント用かな？と察しが付いたけど、私…誕生日じゃないし……

「Aちゃん、後ろ向いてくれる？」

『うん…』

蘭に背中を向ける様に体の位置を変える
その後ろで蘭が嬉しそうに鼻歌歌ってるのが気になるけど…

さっきのリボン、髪の毛に付けられるとか？
まさか、髪の毛と一緒に編み込むとか…？

「あ、念のため目閉じてて」

『変な事しないよね？』

「当たり前じゃんwこの時間にする訳ねぇから安心して〜」

背中を向けて、目を閉じる

なんとなく…何か私にサプライズするんだろうなっていうのは、ここで把握した

あの日の事、叶えるために？

そんな事を考えてたら、蘭の手がフワッと私の髪を捉える
一瞬の出来事だったけど、なんだか心地良かった

『目、開けても良い？』

「うん。なんなら、俺の方向いてよ」

青く澄み渡る空を眺めて、蘭の方は体を向ける

さっきよりもニコニコした笑顔
手にしていた小箱のリボンは解かれて、箱も開いていた

…やっぱ、リボン付けられた？

「やっぱ、それ似合うわ〜」

『“それ”って、どれよ？』

「こーれ」

首元を指差しながら、何かをアピールしてくる

…首元……蘭のネックレス？？

まさかと思って自分自身の首元に手をやると、首元のチェーンに触れた

『…ネックレス？』

「そ〜、俺とお揃いな♡」

『って、これ有名なブランドのじゃん！こんな高価なもの貰えないって…！』

「外したら、許さねぇけど？」

焦る私と目が本気の蘭……
ここまで来ると、蘭が如何に本気なのかが伝わってくる

「あの日の事、覚えてる？」

『もっもちろん…』

「ただプロポーズすんのもつまんねぇから、俺からのプレゼントを添えて…Aちゃん、俺と結婚してください」

互いの手を取り、指を絡める

いつも余裕あって飄々としてる蘭だけど、視線は真っ直ぐに私を捉えていた

こういう時ばっか、ズルいんだから

『ふふ、一生私を幸せにしてくれる？』

「当たり前じゃん♡ぜってぇ離さねぇからな？」

『それは覚悟してる。私こそ、よろしくお願いします！』

「ありがとう」

返事を聞いた蘭は満面の笑みを浮かべて抱きついてきた

蘭もあんな顔するんだなって思うのと同時に、今までに無い幸せを実感した

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