思い出の場所 (ページ37)

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「えっちょっ…Aちゃん？！そんなに嫌なら、俺諦めるよ…？」

『本っ当に…バカ！』

「俺、今日めちゃくちゃバカって言われるじゃん…」

絶対に縁が無いタイプの人かと思ってた
屋上で会った時もその場だけの関係なんだろうなって

でも、私に楽しい時間を与えてくれて、誰よりも私の事を愛してくれる人

そんな蘭を好きになった私
選択肢なんて、もう選ぶ必要も無い

「今すぐにとは言わないけど…」

『私も1回しか言わないから、ちゃんと聞いてよね』

「お、おう…」

『私をこれからも幸せにしてください』

手を取り合ったまま、蘭の目を見つめながら伝える

この人なら…蘭なら……いや、蘭しか私を幸せに出来ない

そう思って自分の気持ちを伝えると、パッと手が離れて引き寄せられた

「ほんとに強気な性格は変わんねぇな…」

『思ってる事を言っただけだし。で、返事は？』

「もちろん、Aちゃんの事を幸せにする。だから、俺から離れないで？」

『ふふ、ありがとう。もう蘭から離れないし、離れても引き戻してよね』

「ンなの当たり前じゃん。絶対に離さねぇから♡」

再び顔を見つめ、今までなかったくらいの優しくて甘いキスを繰り返す

人生捨てたもんじゃないなぁ

こんなにチャラい男を好きになるなんて思ってなかったし
まさか、結婚の約束なんてすると思ってなかった

生きてたら、良い事あるんだね

『私からのお願いもあるんだけど…』

「ん〜、何のお願い？もっとキスしてほしい？」

『そうじゃなくて…結婚するって言ったじゃん？』

「うん、それは嘘じゃない」

『ちゃんとしたプロポーズの言葉、あの場所で欲しい』

「あの場所って…屋上？」

『そう。私達が出会った“思い出の場所”で言って？』

ちょっとだけワガママ言ってみた

憧れてた中庭で言われたのも勿論嬉しいけど、やっぱり2人が出会った場所で言ってほしい

あ…でも、1回しか言わないって言ってたから無理かな…

「可愛いAちゃんのお願いなら、何度だって言ってあげる♡」

『さすが蘭』

「じゃあ、卒業式終わった後に屋上集合な？」

『分かった。あ、私待つの苦手な人だから、来るの遅いと帰っちゃうからね？』

「も〜可愛くねぇなぁ」

『でも、そんな私の事が好きなんでしょ？』

「もちろん♡全部終わったら、真っ先に向かうわ」

こんな学校生活、誰が想像してだろうか…

この学校に入って、ようやく卒業する目標が出来た

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