思い出の場所 (ページ34)

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蘭に連れて来られた場所

まさかの学校だった

いや…夜遅いから電気点いてないのは当たり前なんだけど、なんでこんな時間帯に学校？？

『え、何？蘭、学校に忘れ物とかでもしたの？』

「ンな訳ねぇだろwww単に俺が連れてきたかっただけ」

『連れてきたかったって…でも、こんな時間で空いてる訳ないじゃん』

「まぁな〜」

本当にこの男は何を考えてるのか、さっぱり分からない…

夜の学校で肝試し〜！なんていうタイプじゃない
でもって、忘れ物を取りに来た訳でもない

なんで、学校？

としか思えなかった

「取り敢えず、ここから入るよ〜」

手を引かれて行けば、学校の裏側

正門とは違って扉が一枚あるだけで、鍵を開ければ入れるタイプ
だけど、鍵を持ってるのは先生たちであって…

『乗り越えんの？』

「女の子にそんな事はさせませーん。コレ(・・)があるから♡」

蘭がポケットから出したのは、1本の鍵

ここまで来たら、私でも理解できる

『ここの鍵…？』

「さっすがAちゃん♡これがあるから、乗り越えなくて平気だよ」

やる事が完全に悪いヤツの思考だ
まぁ、蘭が真面目だって思った事は一度も無いけど

真面目じゃないけど、誰よりも優しくて寄り添ってくれる温かい人だ

鍵を差して扉を開けて、再度蘭に手を引かれて校内へ入る

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夜の学校なんか、絶対に縁が無いと思ってたのに、まさかこんな形で来るとは思ってなかった

そもそも、この学校なんか興味無かったんだ

親の言う事に従って渋々入学しただけで
卒業出来れば良いと思ってたから、適当に授業出て

いつもの場所は教室じゃなくて、屋上だった

屋上で過ごしてたら、偶然蘭に出会って
気付いたら、こんなに距離が近くなってた

そして、今では蘭の事が好き

運命って、どうなるか分からないもんだね

この学校に来なかったら、蘭にも出会えてなかった訳だし
そこだけ…本当に蘭との出会いだけは学校に感謝してる

「目的地到着っと」

『ここって…中庭？』

「そー。本当はいつもの場所行きたかったけど、流石に何本も鍵パクってたら、バレるしw」

辿り着いたのは、普段来ない中庭だった

庭木の手入れが行き届いていて、学校の中でも人気の場所
けど、人が多くて落ち着かないから、ずっと此処を避けてきた

人がいない、蘭と2人だけの中庭は別世界の様に思えた

でも、なんで中庭に連れて来られたの？

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