思い出の場所 (ページ24)

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………体が重い

何か上に乗ってる？

私の記憶では、天井を見ていたのが最後だった気がするんだけど…

部屋は真っ暗ではなさそうだけど、目の前は薄暗く感じる
動くにも動けない状態…

動けない？

金縛りとか…？

冷静に考えてると、規則正しい寝息が聞こえてくる

『は？』

視界がハッキリしてきたと思えば、黒の模様が目に入った

『ちょっ？！何してんの？！！！』

色んな事が頭の中を駆け巡って、勢いよく起き上がった

やっぱり蘭だ…

どうやら、蘭に抱き付かれた状態で寝ていたらしい
当の本人は動じる事もなく、寝ている状態だ

なんで、上着てなくて裸なの？！
まさか…と思って自分の身に付けているものを見れば、そのままだ

何もされてないと安堵して、寝てる蘭の顔を覗いてみた

……悔しいほど、整った顔がちょっとムカつく

いつも結いている三つ編みはされてなくて、下ろした状態
男なのに、サラサラな髪で傷んでない

顔にかかっている髪を指で掬った瞬間、視界がグルッと回った

『え、なに？！蘭？！！』

「人の睡眠邪魔する悪い子はどこかなぁ〜？」

なっ…起きてたの？！いつから？！
完全に寝てると思ってたのに…！

起き上がるにも、両手を頭の上で押さえ付けられてて、おまけに蘭に馬乗りにされてる状態で起き上がれない

『いっいつから起きてたの？！』

「さぁね〜。人が気持ち良く寝てるのを邪魔しちゃダメって、教わらなかった？」

『…そんな事言われた事ない』

「そっか…じゃあ、俺がちゃんと教えてあげなくちゃだね♡」

蘭が空いた左手を伸ばしてきたかと思えば、少し強引に顎を掴まれて、キスの雨が降る

最初は優しかったものの、だんだん荒々しくなって

息すらもせてくれなかった

『…ﾊｧ…ら、ん…』

「どうした？」

『ごめっ…んなさ、い』

「分かればよろしい」

固定されていた両手が解放されて、蘭は私の上から降りた

私…何も悪い事してないじゃん

寝てるかと思ってただけだったし、蘭が狸寝入りしてるなんて、全く思ってなかったもん

『蘭のバカ』

「え、まだそんな事言うの〜？もう一回教え込まないとダメな感じ？」

「やっそれはもういい…！」

あんな事されたのは、生まれて初めてだ……

蘭って、あんな事を色んな子にしてるの？

もしそうだとしたら、良い人なんかじゃないじゃん

どんどん蘭の事が分からなくてなってく……

蘭は良い人じゃないの？

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