思い出の場所 (ページ20)

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色んな感情が溢れ返って、涙は止まる事を知らずに零れ落ちる

普通の高校生と同じように過ごしたいだけなのに…
なんで、こんなに縛りつけられるのか理解出来ない

泣いている最中、ずっと携帯が鳴っている

大体相手は分かってる
だから、携帯を手に取る事もせずにそのまま放置している

けど、鳴り響く携帯の着信音にも苛々してきて、ムキになって電話に出た

『今日はもう帰らないから！！！』

「え、帰らないって？」

『は…え……だっ誰……』

「俺だよー、Aちゃんの大事な蘭ちゃんだけど？」

『らっ蘭？！』

勢い余って出た電話相手は蘭だった……

最悪だ…
親と勘違いして、帰らないなんて言ってしまった

さっきまで思いっ切り泣いていたのに、相手が蘭だった事にビックリして、涙が引いた

蘭の事だ、さっきので察しがついてるだろう

「帰らないって？Aちゃん、今どこにいるの？」

『小さい公園…』

「何か目印になるものある？」

『目印……ゾウさんのすべり台がある…』

「あー分かったわ。ちょっとそこで待ってて」

どうやら蘭は私の居場所が分かったらしく、待つように指示された

…来てくれる、んだよね？

蘭に悪い事しちゃったな

私がちゃんとディスプレイ確認して出ていれば、蘭に迷惑かける事なんかなかったのに

でも、なんでか分からないけど、蘭が来てくれるって思うと、何故か安心した

さっきまで一緒に遊んだから？
友達だから？

考えても、今の私の頭では答えは出ない

けど、誰かそばにいてほしい

それだけは確かだった

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