思い出の場所 (ページ19)

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楽しい時間はあっという間に過ぎるもので、気付けば既に門限の時間は過ぎていた

でも、今日はこれでいいんだ

久し振りに心から楽しめて、笑えて…
蘭と竜胆さんと楽しい時間が過ごせて、凄く満足してる

蘭に取ってもらったぬいぐるみを大事に持って、着いた家の前

また重苦しい空気が漂う場所に入るのか…なんて思ったけど、両親は相変わらず仕事で家を空けている

はずだった

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バシンッ

『え………な、んで……』

【こんな時間まで何処に行ってたんだ！！！】

家の中に入れば、いない筈のお父さんが玄関に立っていて、私に近付くなり平手打ちをされた

【連絡も無しに…こんな時間まで出歩いて…！とっくに門限は過ぎているではないか！！！！】

楽しかった気持ちは一瞬で冷め切った

同時にお父さんの怒りに対して、私の中で積もりに積もった不満が溢れ返る

『なんでよ……なんで、私だけツラい思いしなきゃいけないの？！お父さんもお母さんも仕事ばっか！！興味の無い学校に毎日行って、家族の時間も無ければ放課後遊ぶのも禁止で………もうこんな生活嫌だ！！！！！！』

吐き捨てるように怒鳴り散らして、勢いよく玄関から飛び出した

なんで、私だけがこんなにツラい思いしなきゃいけないの？

帰りが遅いだけで心配もしないで、いきなり平手打ちって信じられない

不満ばかりが頭の中でグルグルと回って、とにかく家から離れたい一心で走った

家族の誰にも見つからない場所

進んだ事もない道をひたすら走れば、小さな公園に辿り着いた

人は誰もいなくて、静かな場所

公園に入ってベンチに腰を下ろすと、ボロボロと涙が溢れた

普通の家族だったら、こんな思いしないのに

望んでいた学校に通ってたら、もっと楽しい高校生活が送れたのかもしれない

今までの不満が爆発して、小さい子どものように声を上げて泣いた

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