思い出の場所 (ページ14)

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『かれ、し？』

「そ。まぁ、友達いねぇつったから、いねぇとは思うけど」

蘭の言う通りでぐうの音も出ない

別に悔しい訳じゃないけど、なんか急に寂しくなっちゃった

「まさか、いるとか？」

『いや、いないよ。蘭の言う通り、友達もいなければ彼氏もいない』

「Aちゃんさ…」

窓の外を眺めていた筈なのに、蘭によって視界が変わる

目が合えば、蘭の顔が近付いてくる

「お前、前に俺が何言ったか覚えてるか？」

『はっ…え………』

「俺ら、"友達"っつったろ？」

『あっ……』

そうだ

屋上で交わした会話を思い出した

ーじゃ、俺とAちゃん今日から友達ね

友達がいない状況に慣れちゃってたから、すっかり忘れてた

「俺は何があっても、Aちゃんの友達だからな〜」

勝ち誇ったような笑みを浮かべ、私を見下ろしてくる蘭がなんか可愛くて、思わず笑っちゃった

「あン？何が面白いンだ？」

『え、蘭がなんか可愛いなって思って』

「可愛いっつーのは、男に使わねぇの」

『だって…なんだか子どもっぽいなーって思ってさ』

すると、さっきの表情から一変して、冷たい表情に変わってしまった

しまった…

今度こそ、地雷踏んだかも

さっきの言葉を訂正しようかと思ったら、急に顎を掴まれて口を塞がれた

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