思い出の場所 (ページ12)

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ケーキを食べつつ、蘭とも会話しつつ

気付けば、門限の時間が近付いていた

「Aちゃん、めっちゃ大事にされてんねー」

『厳しいだけだよ…大事にしてくれてるなら、もっと家族の時間取ってくれると思うんだけどね』

本当にそうだ

娘の私を大事だと思ってくれているなら、もっと家族との時間を大事にしてほしかった

幼い頃の様に家族で食卓を囲んだり

休日に出掛けたり

今はただただ両親との溝が生まれていくばかり

私だって、もう高校生なのに

門限まで決められてて…自由に遊べない……

『蘭だったらさ…』

「ん〜？」

『もし蘭が私の立場だったら、親に反抗してた？』

「どうだろな〜。ま、今でもこんなんだから、手ェつけらんねぇだろなw」

『それは反抗してたって捉えて良いの…？』

「反抗するも何も、自分が行きてぇ道を歩いてるだけだからな。親があーだこーだ言ったって、俺の人生だから文句言わせねぇし。両親がいたとしても、言う事は聞かねぇな」

意外だった

不真面目な感じでワルやってきただけの男かと思いきや

根は意外としっかりしている…のか？

でも、私と違って自分の意思を持ってる

縛られるものが無いから、そういう考えに至ってるだけなのかもしれないけども

それでも、自分の人生は自分だけのものだと言わんばかりの自身の強さが感じられた

蘭みたいに強かったら

私の高校生生活も変わったのかな……

でも、どんなに口が裂けても

親には逆らえない

物心がついた頃には

既に親は絶対的だと認識していたから

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