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連れて来られた、最上階のスイートルームは
贅沢というものをぎゅっと凝縮したような豪奢な作りで
踏みしめる度にふかふかする絨毯も
照明の光を反射するほどに磨き上げられた上質なインテリアも
一面ガラス張りの向こうに広がる、煌びやかな夜景も
こんな状況じゃなきゃ、きっと
女の子が一生に一度は夢見るような代物ばかりで
ただ、今の私には
すべてが白々しくて、空々しくて
ただひたすら空虚なものとしか…この目には映らなかった。
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ソファの背にスーツの上着を置いた吉田さんは
暫く…静かに窓の外を見つめていたけど、
ふとネクタイを緩めながら、部屋の入口に立ち尽くす私を振り返ると
さっきみたいな狡猾な笑顔じゃなくて
出会った時のような柔和な表情で
目尻に皺を寄せて、…私に笑いかけた。
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吉「……少し、…飲み直しますか？」
「……」
吉「…っていう、雰囲気でもなさそうですね」
「……」
吉「…。…ここに座りなさい」
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そう指された、目と鼻の先のソファまで歩いていくのに
私の足は、…どれだけ覚束なかっただろう。
地に足をつく度に
そのままぐにゃりと歪んで、めり込んでしまいそうで
どうせなら、いっそ
このまま地に吸い込まれて
真っ暗な闇の中へ堕ちてしまえたら、どんなに楽だろう…って
目の前の現実から目を背けたがる、悪いクセは
あぁ、今でも直っていないんだ…って
強くなりたい、そう思ってここまでやって来たのに
やっぱり私は何ひとつ変わっていないんだ…って
遠のく意識の中で、そんなことをぼんやりと考えながら
…やっとの思いで、吉田さんの隣に腰を下ろした。
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吉「ふふ。……緊張、してますね」
「……」
吉「…悪いようにはしないから。大丈夫」
「……」
吉「……顔を上げて…？」
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慚愧に堪えない思いで、顔を上げられずにいた私の顎に
そっと…、吉田さんが指をかける。
そのまます…っと顔を持ち上げられて
鼻先が交わりそうな距離で、静かに見つめ合うと
吉田さんがふ…っと目を伏せて
その唇が近づいてくるのが、分かったから…
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「…・・、キスはしないで」
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ば…っと顔を背けて、それだけ口にしたけど
今からおぞましいことをしようとしている自分に、…吐き気がした。
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まよ(プロフ) - ハルキさんご無沙汰です！久しぶりに開いて読みました！智くんとの再会後、いちゃこらみたい笑リアル智くんも元気かなぁ。ＧＷゆっくりしつつ楽しんでくださいね！ (2023年5月3日 22時) (
レス) @page47 id: 2bb9158d15 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。智君に会えて嬉しいです。久しぶりにドキドキしてきゅんきゅんしてます。ハルキさんありがとう(^^)v (2022年9月29日 13時) (レス) @page47 id: 70f41ecff1 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 楽しみにお待ちしておりました(>_<)胸がぎゅーっと苦しくて…会えてよかったぁ！！！激重のイチャコラ楽しみにお待ちしてます！！ (2022年9月29日 6時) (レス) @page47 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
mikitiy(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。やっと、智くんにあえて。この時を待っていたっ。嬉しいです。続きがとても気になる〜。葛藤も色々な想いも乗り越えて幸せになってほしい。ドキドキしながら読みました。更新を待ってます。 (2022年9月28日 22時) (レス) id: 0a92ac1d6f (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - →待ち続けておりますので、これからも楽しみにしてます！ (2022年9月28日 19時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2019年9月25日 1時
