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私の緊張なんて余所に
エレベーターはあっという間に最上階へ着いて、
「では、私はこちらで失礼いたします」と言った支配人さんは、
その箱に乗ったまま、下がって行ってしまった。
エレベーターホールに …暫し立ち尽くす。
そこはしん…と静まり返って、物音ひとつ聞こえず
絶妙な具合に落とされたダウンライトが、…静かに 私を照らしていた。
斎藤さんの名刺の裏には、智の部屋番号が書いてある。
だけど、…なかなかその一歩を踏み出せない。
ほとんど勢いまかせでここまで来ちゃったけど、
突然部屋を訪れたりしたら、智 迷惑じゃないかな…
智は今日もライブだったんだもん。きっと疲れてるよね…？
だけど、散々いろんな人のお世話になっておきながら
ここまで来て引き返すわけにもいかないし、
何より、こんな私を
智はずっと 待っていてくれたんだから…
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「……大丈夫。…少し。少し話すだけ」
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そう、自分に言い聞かせるように独り言ちると
胸をトントン、と２回たたいて
ふぅ…っと深く長く、息を吐き出した。
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エレベーターホールを抜けると、左右にす…っと伸びる廊下
名刺を片手に部屋番号を確認して、静かにそ…っと足を踏み出す。
一切の人影もなく、静まり返ったままの廊下
視線の先には、非常口のライトが青白く光っていた。
ゆっくりと 一歩
また 一歩…
少しずつ智との距離が縮まる度に、心臓が跳ね上がる。
ドアにかかれた部屋番号を、ひとつずつ目で追う。
だんだんとそれが近づいてくると、
思わず足が竦んで、その歩みが止まりそうになったけど…
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「……・・ここ、だ…」
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目の前のドアの数字と、名刺に書かれた番号を
何度も 何度も見直す。
ここで、間違いない…
このドアの向こうに 智がいるんだ…
そう思ったら、胸がぎゅぅぅぅ…って苦しくなって、
思わず涙が滲みそうになったから、…静かに目を閉じた。
大丈夫、大丈夫……
今日何度目かわからない“大丈夫”を、まるで呪文のように唱える。
言葉は拙くても、ちゃんと智の目を見て話そう。
そうすれば、きっと智には伝わるから…
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もう一度 ふぅ…っと息を吐き出して
ゆっくりと目を開けると、
ドアベルに そ…っと震える指先を伸ばした。
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まよ(プロフ) - ハルキさんご無沙汰です！久しぶりに開いて読みました！智くんとの再会後、いちゃこらみたい笑リアル智くんも元気かなぁ。ＧＷゆっくりしつつ楽しんでくださいね！ (5月3日 22時) (
レス) @page47 id: 2bb9158d15 (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。智君に会えて嬉しいです。久しぶりにドキドキしてきゅんきゅんしてます。ハルキさんありがとう(^^)v (2022年9月29日 13時) (レス) @page47 id: 70f41ecff1 (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 楽しみにお待ちしておりました(>_<)胸がぎゅーっと苦しくて…会えてよかったぁ！！！激重のイチャコラ楽しみにお待ちしてます！！ (2022年9月29日 6時) (レス) @page47 id: 6ed58a0011 (このIDを非表示/違反報告)
mikitiy(プロフ) - ハルキさん更新ありがとうございます。やっと、智くんにあえて。この時を待っていたっ。嬉しいです。続きがとても気になる〜。葛藤も色々な想いも乗り越えて幸せになってほしい。ドキドキしながら読みました。更新を待ってます。 (2022年9月28日 22時) (レス) id: 0a92ac1d6f (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん(プロフ) - →待ち続けておりますので、これからも楽しみにしてます！ (2022年9月28日 19時) (レス) id: 178db8b66c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2019年9月25日 1時
