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通された応接室は、上層階ともあって
よく晴れた空に立ち並ぶビル群が眼下に広がっていた。
吉田さんはまだ社長室に入られていて、
秘書の方に「少し時間がかかりますから」とソファを勧められたけど
リーン・ロゼの洗練されたソファは、逆に居心地が悪くて
ソファの横に立ったまま、何度も頭の中でイメージを繰り返す。
御守り代わりに付けてきた、
智からプレゼントされたパールのネックレスにそ…っと手を当てて
大丈夫、大丈夫…
まるで呪文のように、その言葉を自分に言い聞かせた。
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吉「すみません。お待たせしました」
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程なくして、吉田さんが応接室に入って来られて
突然現実味を帯びた目の前に、きゅっと気持ちが引き締まる。
慌てて襟を正した私に、
吉田さんはにこやかにソファを勧めてくれたけど
とにかく何よりも先に、アポイントもなく飛び込んだ非礼をお詫びしなくちゃいけない。
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「…ご多忙の中、お時間頂戴してありがとうございました」
吉「いえ。ちょうど出先から戻ったところで、タイミングよかったですね」
「それから…、突然の訪問、大変失礼いたしました」
吉「ふふ。大丈夫ですよ。
こういう用件であれば、なかなか難しいですよねぇ」
「…、ありがとうございます」
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どうぞ、と再び勧められたソファに腰を下ろすと、
目の前に座った吉田さんと、改めて視線を合わせた。
社長というだけあって、その風格はやはり一般人のそれとは違って
一見穏やかそうに見えるけど、…滲み出るオーラに、思わず圧倒されそうになる。
「それで、…寄付というのは？」という、吉田さんの言葉に
はっと我に返って、慌てて資料を鞄から取り出した。
きっと分刻みのスケジュールで動いているであろう吉田さんに
与えられた短い時間で、あの施設の現状を分かってもらわなきゃいけない。
ぼやぼやしてる暇なんて、一秒もないんだ
さっきみたいに支離滅裂にならないように
手早く、でも丁寧に的確に
自作の資料を指しながら、ありったけの想いを込めて言葉を並べた。
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吉「……そう、…ですねぇ・・」
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私の説明を聞き終えた吉田さんは、
その顎にたくわえた髭を擦りながら、何かを思案している。
吉田さんの口からどんな言葉が紡がれるのか、
…怖かったけど、固唾を呑んで、その第一声を見守った。
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まよ(プロフ) - ﾊﾙｷさん､更新ありがとうございます｡もしかして…とﾄﾞｷﾄﾞｷしていましたが…やっぱり!!ﾋﾞｼﾞﾈｽだと､断れない主人公ちゃんがいるような…｡部屋では何もﾅｼ!紳士に戻ってくれる事を希望!私も智には笑っていてほしい!本当におめでとうを届けたいですね! (2019年3月11日 23時) (
レス) id: d770192f60 (このIDを非表示/違反報告)
mikitiy(プロフ) - ハルキさん、更新ありがとうございます。主人公ちゃんがどうなっちゃうのかとても心配。おいしい話には裏があった。続きが気になるけど知ったらどうなっちゃうか自分が心配です。彼らから沢山幸せもらってるから、感謝を伝えたい気持ち同感です (2019年3月3日 21時) (レス) id: 8a94a49cc5 (このIDを非表示/違反報告)
咲優(プロフ) - ハルキしゃん♪更新ありがとうです。でも部屋まで行ってなんもしない、ってパターンもあるよね？ねっ!?先日息子が無事高校を卒業して、そんでバタバタな咲優ですが自分のお話ほぼ進んでません(T^T)ハルキしゃん見習ってもっとガンバろ(笑) (2019年3月3日 12時) (レス) id: 4728198315 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - やっと…やっとここまで来れた？！って喜んでいたのも束の間…やっぱりそっちに話は向くのね(-_-)ビジネスという名の脅しとしか思えない！結果そっちが目当てだった？あーもぉーモヤモヤする(>_<｡)ハッキリ断って欲しいけど…そーもいかないのかな(>_<｡) (2019年3月3日 8時) (レス) id: bd0ebe94fc (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - ハルキさんの言葉はすごいです。スッと心に入ってきて、うんうん、と納得出来て心が軽くなります。智君に沢山の幸せをもらって私の今がある。いっぱいの感謝を届けたい、伝えられるように応援していきたいです。 (2019年3月3日 7時) (レス) id: 760ad2d2f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2017年11月15日 1時
