＊４６１＊ side yuta ページ9
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最近、A先生の様子がおかしい
真っ先にそれに気づいたのは、やっぱり千花だった。
どこか悲しみに沈んだその目は、頼りないほどに揺れていたし
何か話をしていても、心ここにあらずって感じで
気のない返事を繰り返すだけだった。
そして、いつも何かを思い巡らすように
ぼんやりとしていると思ったら、今にも泣き出しそうな顔をして…
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千「…んせ、…先生！」
「…ぇ、」
千「、先生！お鍋、噴いてる！」
「、ぁ…っつ…っ、」
千「バカ！素手で触ったら熱いに決まってるじゃない！」
「…ご、ごめ、」
千「…もういい。先生、邪魔だからあっち行ってて」
「…、」
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今日もこうやって、先生の部屋でご飯を食べようとしたけど
ぼんやりとしたままキッチンに立った先生は
早々に千花にそこから追い出されて
しゅん…と項垂れながら、俺の前に腰を下ろした。
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千花いわく、A先生がこんな状態になったのは
杉原さんにそそのかされてお見合いをしてからで
結果的に、その片棒を担ぐ形となってしまった千花もまた、
先生がこんなふうになってしまったのは自分のせいだと、罪の意識に苛まれていた。
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裕「…そんな、千花のせいじゃないよ」
千「…だって、…田崎さんに会ってからよ？先生があんなふうになったの」
裕「……田崎さん？」
千「先生のお見合いの相手。…あれから、…何度か会ってるみたい」
裕「……」
千「…先生の中で、納得した形で収まっていたものが
…田崎さんに出会ったことで、また揺れ動き始めてるのよ、きっと」
裕「……」
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俺が何度宥めてみても
千花はそう言って、自分を責めて
裕太はあの頃のA先生を知らないからそんなことが言えるのよ、と
今でも脳裏に残る、ボロボロに傷ついた先生の姿を
その瞳の奥に、悲しく映し出しているようだった。
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裕「…、」
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気まずそうに俺の前に座ったA先生は
軽く火傷した指先を撫でながら、ずっとそこに視線を落としたまま。
今日は、木曜日
時刻は、１９時
以前なら、優しく、愛しさに溢れた瞳で
思わず見惚れてしまうような、キラキラの笑顔で
テレビの中の大野さんを見つめていた時間なのに…
いまの先生は、その手にリモコンを取ろうとすらしなかった。
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ハルキ(プロフ) - ともさん» ともさん、初めまして(*´ω｀)♪この長いお話をはじめから読んでいただいたようで、ありがとうございます。長い上に暗いっていう…、何だかもう救いようがなくてスミマセン。次章からは少し違った展開が期待できると思うので、どうぞ最後までお付き合い下さい。 (2016年7月17日 0時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ハルキさん♪はじめまして。ともと申します。イッキに拝見させて頂きました(^o^;)ドラマを観ているようでドキドキはらはら…涙流しながら(>_<)二人の健気さに微笑ましく思ったり時にはイライラしたり…更新を楽しみに待ってます。 (2016年7月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、いつもありがとうございます(*´ω｀)♪もうみなさんからのコメントもめっきり減るくらい、先の見えない暗〜い展開ですが(笑)、次章では少し光もみえてくる…かな？若いのに、千花ちゃんと裕太くんの方がよっぽどしっかりしてると思っているハルキでした(笑) (2016年7月9日 3時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
咲優(プロフ) - ハルキしゃん♪おひさしぶりーふ(笑)いや、そこ迷うとこチガウ！千花ちゃんはよ連絡してー！って叫んでもうた(笑)このお話ももう移行なのね(*´ω｀*)楽しみに待ってますね♪ (2016年7月8日 8時) (レス) id: 4728198315 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、先程アイスのコメントにレスさせていただきました！レスが遅くなり申し訳ないです(>_<) 本当にこちらのふたり、ここからどうやってハッピーエンドになっていくんでしょう…←お前がな 涙チョロリな展開ばかりですが、どうぞ信じて待っていてください！ (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年12月13日 0時
