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田「───Aさん…？」
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その心配そうな声に、はっと顔を上げると
困ったような顔の田崎さんが、私をじっと見つめていて
慌てて表情を取り繕うと
そんな私をお見通しな田崎さんは、少し寂しそうに笑った。
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田「…また、…彼のこと考えてました？」
「…、ごめんなさい、」
田「いえ、謝る必要なんてありませんよ。
それをわかっててAさんをお誘いしてるって、言いましたよね？」
「…、」
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“…それなら、僕があなたを想ったって自由なわけだ”
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初めて出会った日、そう柔らかく笑った田崎さんは
それ以来、私にそういう感情を抱いているようなことは言わなくて
こうやって、“友人”として会うようになって
もうそんな感情、どこかに行ってしまったのかなって
よくよく話してみたら、私が思ってたような相手じゃなくて
本当に“友人”として、心配してくれてるだけなのかなって…
そう思うとほっとしているくせに
こんな人恋しい夜に、外に連れ出してくれる田崎さんの優しさを
まるで利用するように甘えきってる私は
きっと狡くて、弱くて…
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田「…今度、…ドライブにでも行きませんか…？」
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押し黙ってしまった私を窺うように
そっと、田崎さんが問いかける。
でも、車内という独立した空間で田崎さんと会うということは
そこにいつもとは違った、“意味”が生まれてしまいそうで…
その誘いに躊躇して、気まずそうに目を逸らしたら
それを小さく笑った田崎さんは
いつまでもこんなことを続ける私を
ゆっくりと諭すように、優しい口調で話を続けた。
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田「…無理に、とは言いません。でも、」
「……」
田「…一歩踏み出してみたら、…また、違った景色が見えるかもしれない」
「……」
田「…そんな悲しい目をして、あなたがいつまでもそこに留まり続けるのを、」
「……」
田「…・・きっと、…彼自身も、望んでいないと思います」
「、…」
田「…少なくとも、僕だったらそう思う、…かな」
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田崎さんから放たれた言葉が
まるで鈍器で殴られたように、痛みを伴って頭の中に響く。
脳裏に浮かんだ智の笑顔が…
ぐにゃりと歪んで、そのまま見えなくなった
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ハルキ(プロフ) - ともさん» ともさん、初めまして(*´ω｀)♪この長いお話をはじめから読んでいただいたようで、ありがとうございます。長い上に暗いっていう…、何だかもう救いようがなくてスミマセン。次章からは少し違った展開が期待できると思うので、どうぞ最後までお付き合い下さい。 (2016年7月17日 0時) (
レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
とも(プロフ) - ハルキさん♪はじめまして。ともと申します。イッキに拝見させて頂きました(^o^;)ドラマを観ているようでドキドキはらはら…涙流しながら(>_<)二人の健気さに微笑ましく思ったり時にはイライラしたり…更新を楽しみに待ってます。 (2016年7月14日 8時) (レス) id: b4753fc97a (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、いつもありがとうございます(*´ω｀)♪もうみなさんからのコメントもめっきり減るくらい、先の見えない暗〜い展開ですが(笑)、次章では少し光もみえてくる…かな？若いのに、千花ちゃんと裕太くんの方がよっぽどしっかりしてると思っているハルキでした(笑) (2016年7月9日 3時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
咲優(プロフ) - ハルキしゃん♪おひさしぶりーふ(笑)いや、そこ迷うとこチガウ！千花ちゃんはよ連絡してー！って叫んでもうた(笑)このお話ももう移行なのね(*´ω｀*)楽しみに待ってますね♪ (2016年7月8日 8時) (レス) id: 4728198315 (このIDを非表示/違反報告)
ハルキ(プロフ) - 咲優さん» 咲優さん、先程アイスのコメントにレスさせていただきました！レスが遅くなり申し訳ないです(>_<) 本当にこちらのふたり、ここからどうやってハッピーエンドになっていくんでしょう…←お前がな 涙チョロリな展開ばかりですが、どうぞ信じて待っていてください！ (2016年6月19日 10時) (レス) id: b6e2b0db31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルキ
| 作成日時：2015年12月13日 0時
