ハルハナ！ (ページ22)

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◆ 22 : 初めての生徒ページ22

. Keigo .

『あ！萩ちゃん！』

廊下に響く
俺の名前を呼ぶ、透き通った声。

その声に振り向けば
ニッコニコで手を振りながら近寄ってくるAの姿があった。

「 Aじゃん、どうしたの？」

『んへへ、遊びに来ちゃった』

「んへへって (笑) ちゃんと言ってきたの？」

『うん、だってめんどくさいし、』

時間になったら涼が迎えにきてくれる！と
嬉しそうな顔をしてそう言うA。

… 涼が迎えにきてくれるからかな、
それとも俺に会えたから？

って、自惚れるほどの関係でもないか。

「やっすー呼ぼうか？」

『んーん！今日はね、萩ちゃんに相談しにきたの』

「え、俺？」

『そう！俺です！』

相変わらずのニコニコ笑顔で言ってくる。

俺に相談って、一体何の？

だって、相談するって言ったら
やっすーかさなぴーじゃん

… 何で俺なんだろ、

『私ね、楽器弾けるようになりたくて、』

「楽器？」

『そう、楽器』

「え？Aやってなかった？」

『ギターね、ちょっとだけ、』

でも、今回出来るようになりたいのは
ギターじゃないらしくて

… あぁ、だから俺なのか、なるほど

「 … とりあえず中入る？」

『え！いいの？！』

「うん、もちろん」

『わ～やった！萩ちゃん大好き！』

めちゃくちゃ嬉しそうな顔で
そう言ってくるAは子どもっぽくて

最近、急に大人っぽくなったように感じたけど
やっぱりまだちゃんと子どもだった。

美「え！Aじゃん！！」

怜「うわ～～花子ちゃん久しぶり～！」

『ねぇ花子ちゃんやめてって言ってるじゃん』

怜「え～いいじゃん～可愛いんだし！」

真「あれ、やっすーじゃないんだ？」

謙「萩ちゃんにドラム習いに来たんだろ～」

顕「え、？」

諸「ドラムか～いいねぇ！」

Aが入って来た瞬間
一気に表情が明るくなったメンバーたち。

皆大好きだからなぁ、Aのこと。

やっすーは知ってたみたいで
前から言ってたもんね、とAの頭を撫でていた。

「さ、やろうか？」

『うん！お願いします萩谷先生！』

俺の初めての生徒がこんな可愛い子でいいんですか …

やっすーの大事な大事な妹だから
スパルタは出来ないしする気ないけど

Aの為に頑張っちゃおうかな！

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