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◇ 19 : 仲直り ページ19

. Mizuki .









俺を押し退けて出て行ったはるの後を急いで追いかける。

稽古場から少し離れた休憩所
ソファーがあるのにそこには座らず
壁に寄りかかってしゃがんで蹲っていた。









「 …… はる 」

『 ( びくっ ) 』









俺の声を聞いてびくりと反応する。

ゆっくりと上げられた顔は
歯を食いしばり、涙を我慢してるように見えた。









「 … なに泣いてんの 」

『 な、いてなっ、い 』

「 嗚咽もらしてるくせに 」

『 ゔー …… 』

「 んだよもう 」









泣いてないと言ったと思えば
声を漏らして泣き始めたはる。


… いいよ、たくさん泣けばいい
泣くことでストレス解消になることもあるらしいから


しばらくして、落ち着いたのか
はるはゆっくりと言葉を発し始めた。







『 はるは、いつでもはなちゃんが羨ましい、
綺麗だし大人だし、おまけに優しくてなんでも出来る 』

「 …… 」

『 それに比べて、はるはっ、
いつまで経っても子どもで、泣き虫で、わがままでっ … 』

「 … はる 」

『 迷惑 … なんだよね、そうだよね、? 』









… こんな弱気になったはる、初めて見た。


確かにはるはわがままで、泣き虫で
感情が表に出やすくて、素直な子だ。

でも、それを迷惑だと思ったことはなくて

俺自身、強がって素直になれないことが多いから
逆に何でも素直に伝えられるはるが羨ましかった。








「 … そんなことないよ 」

『 … うそだ、 』

「 嘘じゃない、本当 」

『 っじゃあなんで、』

「 大昇がさ、あれ、本気で言ったと思ってんの? 」

『 … だって、あんな大昇初めて見たっ、 』

「 じゃあ今まで大昇に嫌がられたことある? 」







さっきはあんな風に言ってたけど
実際、大昇や他の奴らがはるのわがままを
迷惑そうに聞いているところは見たことがなかった。


逆に、わがままを言われることが嬉しそうで
はるが構いに来てくれるって、喜んでるほど。








『 …… ない、 』

「 でしょ?そういうことだよ 」

『 っ …… 』








今のうちに、沢山ぶつかっておいたほうがいい。

はる、正直にぶつかれる相手がいるって
最高に幸せなことなんだよ?









大「 はる! 」

『 っ、たいしょ、』

大「 はる、ごめんっ、」

『 はるも、ごめんね … っ 』









たとえ同じチームのメンバーじゃなくても、
これからもずっと大事なものになっていくから

はるは はるらしく。頑張れ。









.

◆◇ 20 : 2階から目薬→←◆ 18 : お姉さん



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りお - すっごく面白いです!続き待ってます。 (2018年11月18日 14時) (レス) id: 7f7ccafea8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みに | 作成日時:2018年8月23日 0時

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