君とゼロから (ページ39)

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39 ゼロページ39

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絶対に変えることのできないはずだった、個性と引き換えに死を受け入れる運命＿＿＿

それが突然に覆された。

医者は「あり得ない…奇跡だ！」と何回も口にし、私の個性を詳しく調べるよう警察や沢山の医療従事者に協力を要請した。

完全に目を覚ました私は、それからしばらくは、警察の保護下に置かれることになった。

私の個性が未知であることや、またヴィランに狙われる可能性があったため、私の生活には制限に制限が加えられた。

3年の月日が経ち、やっと外に出ることが許された。

それでも警察と一緒に短時間という条件付きだった。

「緑谷くんに会いに行ったらどうだい？彼もAちゃんに会いたがってるから」

塚内さんの提案で、私は出久に会いに行くことにした。

私の携帯は連絡先が全て消されてしまったため、出久宛に手紙を書いて、ポストに投函した。

封筒にはあえて名前を書かなかったのは、彼がきっと開封してくれるという確信があったからだ。

それに、

開けてみてみたらきっと驚くだろうな

なんて、ちょっとした悪戯心が働いたのだ。

＿＿＿＿

雄英高校卒業式当日、

塚内さんが車を出してくれた。

1ヵ月しかいなかったにもかかわらず、私は雄英高校に近づく度に懐かしい気持ちになっていた。

出久と沢山の初めてを＿＿ゼロを共有した場所だ。

「3年ぶりかあ、楽しみだね。たまに緑谷くんに会うけど、元気にやってるよ。もう立派なヒーローさ」

「そうですか…。それは私も嬉しいです。塚内さんには本当に感謝してもしきれないです。これからもお世話になりますけど、よろしくお願いします」

「こちらこそだよ。成長したAちゃんを見たら緑谷くん、きっと驚くだろうなあ」

塚内さんはそう言うと、目尻に皺を作って笑った。