君とゼロから (ページ12)

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12 再会ページ12

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校門であの男の子を待ち続けたが、
あの男の子が現れることはなかった。

『もうチャイム鳴るぞー！』

雄英の先生が遠くから声をかけるのを聞いて落胆しつつも、私はまだ希望を持っていた。

それは、あの男の子がもっと早く登校している可能性が残っているからだ。

明日はもう少し早めにここに来ようと決める。

なんだかストーカーみたいになっているが、「私はお礼を言うという目的があるから大丈夫」と言い聞かせて、ここを後にしようとした時だった。

「え！！A！？Aだよね！久しぶり～！」

聞き覚えのある声だ。

この声は……三奈？

そう思い、声の方向に目を向けると、

案の定三奈だったが、人目も憚からず、力一杯私を抱きしめた。

鼻を掠めたほんのりと甘い匂いは
あの時から変わっていなくてなんだかほっとした。

「久しぶり！まさかこんなところで会うとはね～！Aが転校してから全然連絡取れてなかったから…」

「ごめんね。携帯も変えてデータ全部消えちゃって…もう会えないかもって思ってた。三奈、雄英高校に行ったんだね」

「お陰様で今年から雄英高校生になりました！Aは？なんでここに……」

『芦戸、遅刻だ』

三奈が私に質問する前に、気怠そうな声がそれを遮った。

猫背でわかりにくいが、180センチは超えるであろう、首にぐるぐると包帯のようなものが巻きついている。

無造作に広がる髪に手を当てながら、一見、不気味な男性がこちらに向かってきた。

黒いシャツに黒いズボンというそのスタイルが、より一層不気味さを増しているが、私はハッと思い出して頭を下げた。

今年の雄英高校の担任紹介欄の一年A組に記載されていた人物とようやく重なったからだ。

「あ！相澤先生！すみません！A、とりあえず携帯番号教えて！」

三奈は、私が画面に表示した携帯番号をメモすると、

「後で電話する～」

と言いながら、そのまま駆け足で校舎の中へと入っていった。