11 恋話 ページ11
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「それってもう『好き』でしょ！」
「えー！やっぱそうなのかなあ〜。恋愛もの好きのAが言うなら間違いなさそうだけど…」
「最近のミク、結構服とかも可愛い系にしてるでしょ？あの人が可愛い系がタイプって聞いてからミク変わってよね！もうそれは一択！好き！以上！」
中学の修学旅行、夜のホテルの部屋での恋話は盛り上がる一方だ。
私は恋愛本が大好きでもあり、よく友達からも恋愛相談をされる。
自分の恋愛はそっちのけで、人の恋愛事情にはついつい首を突っ込んでしまう性だ。
それは、仲良しグループの一人である、芦戸三奈も同じだ。
「いいなあ〜。あー早く私も恋愛してみたいよー！」
と嘆いている。
三奈は誰からも好かれるし、恋愛なんてすぐできそうなのになあ、なんて思いながら見ていると
不意に三奈が、私の方に視線を寄越した。
「Aは？最近どう？」
「全然。何でだろう…理想が高いのかなあ」
「それもあるかもだけど、多分恋愛本の読みすぎだって〜。一回卒業してみたら〜？」
うーん、やっぱ恋愛本のせいなのかなあと思いながら、
「とりあえずそうしてみるよ」
と、答えておいた。
「けど恋っていいよね〜憧れる！ねえねえミク、その相手ってもしかして……」
「ちょっ、やめてよ三奈！まだ恥ずかしいから誰かは言えない！」
「え〜〜。いーじゃん！教えてよー！」
そんなやり取りをよそに、
「私もいつか自分もそんなに相手を思う恋ができるのかなあ」
なんて思っていた。
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作者名：はにぃ | 作成日時：2020年6月30日 11時
