29.個性の話 ページ29
「(ｶﾞﾁｬ)」
爆豪「やっと来たかよ。おせーわ」
同じクラスなのになんで別々に来たかと言うと、
男女が2人で歩くというのは安易にやってはいけない
ことらしく、(爆豪くん曰く)
少し時間をずらしてきたから。
轟くんと2人で戻ってきた時も言われたし、
そういう男女の関係に敏感なのかな…。
そんなこと考えながら爆豪くんの隣に座る。
爆豪「で？どんな個性なんだ？」
「………」
爆豪「まだ言いたくねえなら無理しなくていいわ。
いくらでも待ってやっけどよ、
ただ、必ず吐かす。」
「……じゃあ、先に爆豪くんの話してよ。」
爆豪「あァ？」
「個性は？」
爆豪「…『爆破』手の平からニトロみてぇなモン
だして爆発させる。」
「すご、、派手だし、強い。ヒーロー向きだ。」
爆豪「…おうよ」
「いいなぁ、」
爆豪「…」
言って、馬鹿にするような人じゃないって、
人間関係が得意でない私にもわかった。
「………私はね、『妖視』って個性だよ」
爆豪「アヤカシ？」
「そう。読んで字の如く、こっちの目でだけ、
人じゃないものが視えるの。それで、呼び出す
ことも出来る。私があっちに行くこともできるの。
あっちに行ったらもう帰ってこられないだろうけど。
気持ち悪いでしょ？幽霊なんて操って。」
爆豪「……」
「それに、私はこの個性で母親を殺してる…。
なんでこんな個性持っちゃったんだろう、
なんでこんな目持っちゃったんだろう、
要らないのに。」
涙が次々溢れてくるので、
拭うこともせず下を向いた。
爆豪「…大した個性じゃねえかよ。それに、お前
の目は綺麗な目だ。
俺と同じ赤い目だが、同じじゃねえ。
お前の片目は、俺の赤よりもっと深い赤で、何かを
宿したような目ェしてやがる。」
この人はきっと、お世辞を言うような人でもない。
じゃあ、慰めるため？
爆豪「お前は人を簡単に殺したりするような奴
じゃねぇ。よっぽどの理由があったんだろ。
それに、お前が人を殺したってのも疑ってるしな。
大方、自分のせいだと思ってる、とかじゃねえのか。
「なんでそこまで決めつけられるの？
もしかしたら、惨いことしてるかもしれないよ？
私利私欲のために殺したのかもしれないんだよ？」
なんで、試すようなこと、
思ってもいないことを口走る。
すると、爆豪くんは立ちあがった。
気分を、害してしまったのだろうか、
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作者名：爆心地 | 作成日時：2018年11月18日 21時
