悪かった ページ6
「お母さんにって……焦凍、その」
いいのか？ と 少し困惑気味に聞く。
焦凍は「ああ」と頷き、「一緒に行きたいんだ」ともう一度誘われる。
煮え湯を浴びせられて以来、焦凍とお母さんは疎遠になっていた。
というより、父の訓練に際して、焦凍は父以外と基本的に疎遠だった。俺も例外じゃない。
それに、自分から会いに行きたいなんて言い出すなんて…。
体育祭を経て、何か心境が変わったんだろうか。
俺は……自分の弱さを思い知っただけだった。
「ダメか？」
間が空いてしまい、焦凍が返事を催促してきた。
「いや、行くけど……焦凍がそんなこと言い出すなんて思わなかった」
「そうか。悪ぃな、助かる」
……一人で行くのはまだ怖かったのか。
まあでも、この様子なら俺が断ってても行ったんだろうな。
「あと……」
「まだあるのか」
「ああ。_____…悪かったな、色々と」
急に謝られ、ポカンとする。
なんか、今日の焦凍変だ。
「悪かった、って……何がだよ」
「その足____」
「あれは！ 焦凍のせいじゃ」
「_____違う。……俺、入学するまで、お前が氷使えなくなったって知らなかったんだ…」
焦凍が、すごく自分を責めている顔をしている。
……知らなくて当然だ。あの事件から入学するまで、俺らはろくに会話をしてこなかったし、訓練だって俺は外されていた。
中学も、別々のところに行かされて、話す機会なんてそんなに無かった。
「……支えてやりたかった。足動かねえし、氷も使えなくなったってのに一人にした。…不安だったよな」
「……そんな、こと…」
焦凍のせいじゃない。父さんがそう仕組んでいたんだから、仕方ないことなのに。
「俺にとっては、Aだけが弟だ。お前にとっても、"そう"だったはずだ」
「そう……だけど」
行き過ぎた訓練を受けていた頃、俺と焦凍は他の姉兄と接触することなんて滅多になかった。
だから、俺にとっての兄は焦凍だけみたいなところは…正直、あった。
焦凍にとっての弟は、事実として俺だけだけど。
______でも。
「確かに、俺、焦凍と離れて不安だった。足こんなだし、母さんもなんか…おかしく、なっちまったし……」
「……悪かった」
「_____でも、焦凍だって辛かったんじゃねえのか。俺の分まで頑張って……だから、俺も悪かったんだ」
「お互い様だろ？俺ら」と言うと、
焦凍が驚いたように顔をあげ、俺を見た。
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千椛(プロフ) - ヒーロー名が2人でショートケーキになるの、なんか嬉しかったです！更新楽しみに待ってます！ (2022年2月20日 22時) (
レス) @page16 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - 夜空の流れ星?さん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです…完結せず新作出してて申し訳ないです。期待に添えるよう頑張りたいです！ありがとうございます！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
夜空の流れ星?(プロフ) - 新作品ですね！いつも影で見させてもらってます）(^_^;)頑張ってくださいね！ (2019年4月20日 22時) (レス) id: 654431c6cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年4月20日 21時
